市場には5つの脅威が待ち受ける 〜ファイブフォース分析〜

企業が競争圧力を乗り越え競争優位を築く法

5つの競争圧力とは?

経営者にとって最大の悩み利益を失うことです。

競争戦略の第一人者 マイケル・E・ポーター(1947-)によるファイブフォース分析は、収益を奪う5つの脅威を克服し競争優位を築くための指針です。

『ファイブフォース分析』とは?
 マイケル・E・ポーターによる企業の収益を脅かす5つの脅威を克服し競争優位を築くための指針

フォースとは力です。ポーターは、このフォースを業界内の競争圧力と定義します。5つの競争圧力が脅威として立ちはだかります。

競争圧力は、同業者や他の企業が市場に参入し、類似した製品やサービスが増えることで生まれます。

競争圧力が高ければ業界内の競争が激しいため獲得する利益も小さくなります。ポーターは『競争の戦略』の中で、こう説いています。

競争戦略とは、業界内で防衛可能な地位をつくり、5つの競争要因にうまく対処し、企業の投資収益を大きくするための、攻撃的または防衛的アクションである

5つの脅威を克服し、長期的に利益を確保するには、企業が持つ有形無形の経営資源を、強みを発揮できる領域に注力し、市場で絶対に勝てるポジション取りが不可欠です。

しかし、経営資源には限りがあります。何かを選んだら何かを捨てなくてはなりません。ポーターは「戦略とは捨てることである」と主張します。

脅威を防御する競争戦略

戦略とは「戦いを略す」。脅威から防御する競争戦略の目的は競争しないことにあります。

「ゴホンといえば龍角散」でお馴染みの製薬会社の老舗 龍角散は、『真似されず、真似せず の理念の下で、“のどをスッキリさせる”ことのみに集中し、市場に独自性を築いています。

龍角散は、競合が真似できない価値を市場にポジショニングすることで、競争が少ない状態を維持しています。このポジショニングを支える要素が、自社独自の資金、人材、技術、ネットワークなどの経営資源です。

市場でのポジショニングと自社が持つ他社より秀でた経営資源が生み出す強み。この2つを合わせた戦略が5つの脅威を跳ね除け、長期的な競争優位性と利益を確保する鍵となります。

コラム 「スターウォーズ』とフォース
  多くの人は、フォースということばから『スターウォーズ』のフォースを想起するでしょう。字幕翻訳者の岡田壮平は、フォースを理力と訳しました。

ジェダイは穏やかな感情から生まれるフォース。シスは負の感情から生まれるフォースと、同じフォースでも2者には差異があります。さらに双方の武器 ライトセーバーの原料であるクリスタルは希少な資源です。『スターウォーズ』は、銀河を市場に例えるなら舞台にしたフォースの差異を巡る市場の覇権争いと資源の争奪を描いた物語といえます。

参考文献

マイケル・ポーター『競争戦略論』(ダイヤモンド社)

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)

今枝 昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)