競争は価値こそが勝ちである 〜ポーターの競争戦略〜

ビジネスじゃ「みんなと同じ」は通用しない!

戦略は 他との違いを 作ること

日本の学校教育では「人と違うことをしてはいけない」という同調圧力が働きがちです。違いを隠すことが美徳とされる場面が多くあります。

ところがビジネスの世界に立つと、求められるのは一転して「他との違い」です。

経営書を読むうちに、経営学者 マイケル・E・ポーター(1947-)や楠木建の(1964-)の競争戦略を知ります。

競争戦略は、違いで価値を作り長期的な利益を獲得するための道筋。ポーターは3つの基本戦略を掲げました。

インネパは どこに行っても バターチキン 

インネパ店と呼ばれるインド料理店は、「日本人の味覚に合わせたインド料理を低価格で提供する店」というポジショニングで競争優位性を確立していました。

しかし店主には、異国の地での事業で失敗を避けたいという心理が働きます。「バターチキンカレーとナン食べ放題」という先行事例に多くの店舗が追随し「どこに行っても同じ」という状況になり競争優位性は失われていきました。

危機感を抱いた一部の経営者は、本格的なネパール料理やビーガンメニューなどで新たな価値づくりに乗り出しました。

業界一の低コストで勝負するコストリーダーシップ戦略は大手だからできる戦略です。

差別化戦略と集中戦略を組み合わせることで、再び日本のお客様に喜んでいただける価値を取り戻そうという動きが見られます。

「何をやるか」という以上に「何をやらないか」を決める勇気が競争戦略においては不可欠となります。

 

『ポーターの競争戦略』
 競争相手との「違い」を作り長期利益を築くための3つの戦略

 

参考文献

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)

室橋 裕和『カレー移民の謎』(集英社)