買ったわけ 最初の印象? 見た値段?
〜アンカリング効果〜

最初の印象を収益に変えるアンカリング効果とは?

人はみな 最初に見たものに 縛られる

アンカリング効果とは最初に見た印象や数字(価格)が意思決定に影響を与える心理現象です。

『アンカリング効果』とは?
最初に見た印象や数字が意思決定に影響を与える心理現象

あのブーム 価値を高めて 利益生む

あの高級食パンブームを牽引したのが『銀座の食パン~香~』(俺のベーカリー&カフェ)です。価格は1,000円と高めです。当時の消費者には160円前後という価格が頭に残っています。

しかし、お客様は必ずしも価格だけをアンカー(基準)にしたわけではありません。

お客様の記憶に刻まれたアンカー
  • 人:榎本哲シェフプロデュース
  • 数量:数量限定という希少性
  • 出店:銀座や自由が丘など人気エリア
  • 雰囲気:心地よいイートインスペース 

これらの印象が高いと感じた価格を凌駕し、『銀座の食パン~香~』は大ヒットしました。

コラム 『影武者』の主役交代騒動

黒澤明監督の『影武者』主役交代事件は日本映画史に残る出来事です。人の心には『アンカリング効果』が働き最初の主役 勝新太郎の強い印象に引き摺られ、作品に対する評価まで歪められます。しかし仲代達矢の「あなたは勝さんの『影武者』を観たのですか?」というコメントが、アンカリング効果の奥深さを物語っています。

参考文献
  • ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)