売る前に 自社の持つ価値 見極める〜SWOT分析〜

強みと弱み、機会と脅威から見えるチャンスとリスク

戦略の一歩は環境の分析から

戦略を練る前には、状況分析が必要です。分析の指針がSWOT分析です。

SWOT分析が着目するのは環境です。環境には2つあります。自社を取り巻く経済状況や流行などの外部環境と自社の人材や資金、技術力などの内部環境です。

『SWOT分析』とは?
自社や市場の環境を内部環境と外部環境に分類して分析を行う分析手法


内部環境で自社の強みと弱み、外部環境で市場の好機と脅威の要素が整理できます。新製品の市場投入や売上の翳りなど重要な局面で、現状と今後起こりそうなことを予測します。なお内部環境分析には、バイアス(思い込み)が働き主観が入りやすいので要注意です。

ピンチをチャンスに

スナック菓子市場の脅威は、原料調達です。生産数量に大きく影響します。もう一つはお客様の動向です。市場にはお菓子を食べながらのスマートフォンの操作で指につく汚れを嫌がるお客様が存在します。です。市場には、手を汚さずに食べられるお菓子が次々と登場しています。

2025年に発売50周年を迎えるチートスは、逆にその脅威を機会と捉えます。指にべっとりつくオレンジのパウダーを、チートスを食べることで得られる体験としてアピールしています。「指につくウマさ」というキャッチコピーは、チートスの強みを一言で表現しています。

参考文献

大前研一『企業参謀』(講談社)

今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)