成長の戦略パターンはこの4つ〜アンゾフの成長マトリクス〜

社長には事業を大きくしたいという夢がある!

まず既存顧客を増やして基礎固め

成長なくして企業の存続はありません。アメリカの経営学者 イゴール・H・アンゾフ(1918-2002)のアンゾフの成長マトリクスは、人材や資金など限られた経営資源を効果的に活用し成長するための4つの戦略です。

市場と製品を軸に「既存と新規のどちらかを選ぶか?」が戦略の基本です。

『成長マトリクス』とは?
 市場と製品を軸に据え、市場での経営資源を効果的に配分し、成長を促進するための4つの戦略

マーケティングの権威 フィリップ・コトラー(1931-)は「既存の提供物を既存の顧客へ販売するという市場浸透戦略は、たいていの場合、最も実行しやすい売り上げ増進策である」と説いています。市場浸透戦略で地盤を固め、製品開発戦略、市場開拓戦略、多角化戦略の順番で事業を広げるのが理想です。

4段階の成長ステージ

既存市場で既存製品のシェアを高め地固めをします。スターバックスの「One More Coffee」は、特別価格で2杯目を販売し、1日の購入回数を増やす取組みです。

既存市場の既存のお客様に新製品やリニューアル品を投入します。2021年9月、アサヒは28年ぶりにアサヒ生ビール マルエフを復活させヒットさせました。

新しい市場で既存製品を販売します。ワークマンは作業服の機能を活かし婦人服市場に進出。新たな顧客層を開拓しました。

新しい市場に、新しい製品を投入するリスクが高い大胆な戦略。DHCは、翻訳業から美容通販市場へ進出し成功しました。

参考文献
 

大前研一『企業参謀』(講談社)

今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)