成長の戦略パターンはこの4つ〜アンゾフの成長マトリクス〜

ヒトとカネ どこにどう使えば 事業は育つのか?

成長の 道筋描く マトリクス

経営者には、事業を大きく成長させたいという夢があります。

経営学者 イゴール・アンゾフ(1918〜2002)は、既存製品への集中新製品の開発新市場への進出という3つの軸から4つの成長戦略を導きました。

製品市場既存新規で区分して4つの象限で示すアンゾフの成長マトリクスです。

自社の製品と市場から目指す成長の方向性に向けて経営資源のベストな配分を図る指針です。

市場&製品 このマッチングが利益生む

市場浸透戦略は、既存顧客の購入頻度を高めて着実に売上を拡大します。

スターバックスの「One More Coffee」は、特別価格で2杯目を販売し1日の購入回数を増やす戦略です。

製品開発戦略は、既存の顧客基盤を活かしてお客様に新しい価値を届けて利益を築きます。

2021年9月、アサヒビールは28年ぶりに幻のブランド「アサヒ生ビール マルエフ」を復活。往年のファンに加えて新しいお客様を獲得し大ヒットしました。

市場開拓戦略は、既存の製品を引っ提げて新しい市場に挑む戦略です。

ワークマンは、作業服で培った自社の強みを、畑違いの婦人服市場に活かし新しいお客様を開拓しました。

多角化戦略は、「リスクなくしてリターンなし」を体現する戦略です。

DHCは、翻訳事業から未知の美容通販市場へ参入し、成功を収めました。

市場の変化や競合の動向を常に注視し、状況に応じて柔軟に戦略を修正していくことが成功への近道です。

 

『アンゾフの成長マトリクス』
 限られた経営資源を有効に活用し成長を図る戦略の指針

参考文献

今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)