他社にない価値を創って利益を掴む〜バリュープロポジション〜

お客様が求める価値と競合が真似できない価値のマッチングが利益の源泉

2つの価値のマッチング

ビジネスを成功させるためには、お客様が求める価値と他社が真似できない独自の価値を組み合わせることが重要です。このマッチングが利益を生む源泉となるバリュープロポジションです。

『バリュープロポジション』とは?
 企業がお客様に届ける独自の価値。自社のみが作り出せる競合他社が真似のできない価値

経営資源に限りがある中小企業は、大企業と同じ土俵では勝てません。競争戦略の権威 楠木建(1964-)は、『ストーリーとしての競争戦略』の中で「競争のある中で、いかに他社よりも優秀な収益を達成し、持続させるか、その手立てを示すものが競争戦略です」と説いています。その根底にあるものがバリュープロポジションであるといえます。

元祖レーズンウィッチの行列の秘密

東京新橋の元祖レーズン・ウィッチでおなじみの洋菓子店 巴裡 小川軒のバリュープロポジションは「他社が提供できない高品質な食材にこだわり、美味しい商品を提供すること」です。 1956年の経済白書が謳う戦後の終焉の時代に誕生した元祖レーズン・ウィッチは、所得が向上し「安全で美味しいお菓子が食べたい」というお客様のニーズを捉えました。

70年を経た今日も、元祖レーズンウィッチの生みの親 小川順(1910-1973)の「材料8割、腕2割」の信念を守り、競合が入手できない旬のフルーツなど高品質な食材を厳選し、お客様に安全で鮮度の高い美味しいお菓子を届けることで競争優位性を確保しています。

参考文献
 

西口一希『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)

今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)

楠木建『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)