行列のお菓子に学ぶ長期利益を築く法
ないと困る あったら嬉しい モノやコト
バリュープロポジションは、お客様に、お届けする価値を、はっきりと示した提案です。
単に「良い商品ですよ」と言うのではなく、「お客様にとって、これがどれほど役立ち、どれほどハッピーになれるのか」を具体的に示すことです。
お客様が「ないと困る!」と感じる問題を解決し、「あったら嬉しい!」と心から喜ぶ独自の強みの掛け合わせが長期的な利益を生み出す源泉です。

お客様が本当に欲しい価値と、企業が届けたい価値にズレがあると、せっかくのバリュープロポジションもお客様の心には響きません。
お客様自身も気づいていない潜在的な欲求を見つけ出し、自社の持つ独自の強みでその期待を上回る。これこそが、長期利益の出発点です。


行列ができるのにはワケがある
元祖レイズン・ウィッチで知られる巴裡小川軒。バリュープロポジションは「他社が提供できない高品質な食材にこだわり、美味しい商品を届けること」です。

二代目主人・小川順(1910-1973)の「材料8割、腕2割」という教えが脈々と受け継がれ、他社が手に入れられない旬の素材を惜しみなく使っています。
お客様は、単なるレーズンサンドでは堪能できない「上質な材料が生む特別な美味しさ」に価値を感じています。この感動がリピート購入につながるのです。
上質な味わいを求めるお客様の心をしっかり掴んだ元祖レイズン・ウィッチは、数ある東京銘菓の中で、揺るぎない地位を確立しています。

『バリュープロポジション』
お客様を満足させることできる自社にあり競合にない価値
参考文献
西口一希『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)