「あっ、これだ!」 ブランディングは、この一言のためにある!
違いをはっきり伝えて選ばれる
ブランディングとは、自社の製品を「あっ、これだ!」とお客様に見分けてもらう力です。「他と同じようだけど、なにかが違うな」と、その「違い」がはっきりと伝わることで、選ばれる存在になっていきます。
ブランドという言葉の語源は、牛に押す焼印「カーフ・ブランディング」。自分の牛であることを示すしるしです。
実はこの「カーフ・ブランディング」は、名レスラー、ディック・マードック(1945–1996)の必殺技としても知られています。
格闘センスに秀でたマードックだからこそ繰り出せる高度な技は、時が経っても「マードックといえばあの技」「必殺カーフ・ブランディング!」とプロレスファンの記憶されるブランディングのお手本です
ブランドは信用と時間の積み重ね
牛といえば神戸牛。このようにパッと頭に閃くことがブランディングです。
神戸牛は今でこそブランド牛の王様のような特別な存在ですが、最初からそうだったわけではありません。
生産者たちが手間ひまかけて育て上げ、品質の違いを打ち出し守り続けることで、「神戸牛=特別」と多くの人に思われるようになったのです。
「今日は特別の日だから神戸牛を」というお客様の行動は、まさにブランドが心に根付いた瞬間です。
生活の中で繰り返し選ばれるようになれば、それはもう立派なブランディングの成功です。
お客様に選ばれ続けるしくみを作るマーケティングと記憶していただくブランディングの両輪が企業の長期的に利益を築く土台となるのです。

『ブランディング』とは?
お客様に自社の製品をはっきりと他社の製品と区別させること
参考資料
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)
片平秀貴『パワー・ブランドの本質』(ダイヤモンド社)