「イエス」と言わせる“私たち”という存在〜一体性の原理〜

「Apple」か「それ以外」Apple信者は なぜ生まれるのか?

「ウチら」が好きな私たち

人は、無意識のうちに世界を「私たち」と「それ以外」に分けながら生きています。

この心理には、「自分はどこに属しているか?」を大事にする人間の本能的なしくみ=一体性の原理が働いています。

心理学者 ロバート・B・チャルディーニ(1945-)は、『影響力の武器』の中で、「人は自動的に休みなく、他の人たちを、私たちというカテゴリーに入れる人とそうでない人に分けています」と言っています。

誰かと同じグループにいる感覚があると、私たちは、その人たちを信頼しやすくなり、仲間意識が芽生えるのです。

女子高生の「ウチら」という言葉は、まさにその象徴です。

「私たち」になれば利益が増える

Appleは、旧態依然としたPC文化に対抗するブランドとして「私たちAppleファン」というはっきりした構図を描きました。 

  • 「Appleファン」と「それ以外」

「私たち」の感情の根っこにあるのが、一体性=帰属意識です。

  • 「自分もこの物語の一部だ」と感じる
  • 「Appleが好きな自分」をどこか誇らしく思える
  • 同じ価値観を持つ仲間が世界中にいる気がする

では、どうしたらお客様に「私たち」という感情を育てられるでしょうか?

  1. 共通の価値観でつながる:「どんな想いで届けているのか」を、しっかり伝える。価値観に共感すれば仲間意識を感じる
  2. みんなで楽しめる場所を作る: 売って終わりではなく、ずっと一緒に楽しめる場や体験が距離を縮める

信頼と利益は、お客様と企業が「同じ想い」でつながり、その共感を積み重ねていくことで築かれます。

参考文献

ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器 新版』(誠信書房)

佐藤尚之『ファンベース』(筑摩書房)