売る前に 自社の持つ価値 見極める〜SWOT分析〜

チートスの強みは指につくうまさ

事業を 4つの視点で 査定する

事業の核心は、内部の経営資源を磨き、外部の好機から利益を獲得することです。

SWOT分析は、新製品の発売や市場トレンドの変化など重要な局面で内部環境と外部環境のプラス要因とマイナス要因を査定します。

ここで厄介なのは、外部環境は変動的で予測困難という点です。たとえ一時的に追い風が吹いても、永続的に利益をもたらす保証はありません。

しかも為替の乱高下やトランプ関税など国際政治の影響は、一企業の力ではどうにもなりません。

注目すべきは、競合からは見えにくい資金力、人材の能力、顧客基盤など内部環境です。

競合よりも優れた能力は自社の強み。競合にあるのに自社に不足している能力が弱み。しかし、弱みは自社の努力や協力者の支援で改善が可能。弱みを克服し、強みを競合が模倣できない価値へと磨き上げることが、長期的な利益を築く一歩です。

撤退が 増える市場で 生き残る

スマートフォン操作で指につく汚れを嫌うお客様の存在。少子化に喘ぐ製菓市場にとって追い討ちをかける逆風です。

国内ではロングセラー商品の生産中止が相次ぎました。

そんな中、世界的ブランド チートスは、指にべっとりとつくオレンジ色のパウダーを逆手に取り、「指につくウマさ」という強みを積極的にアピール。市場で確固たる存在感を示します。

指に付くパウダー チートルが生み出す独特な体験をユーモラスに表現したCMを世界中で展開しています。

『SWOT分析』
自社を取り巻く環境のプラス・マイナス要因を査定する分析手法

参考文献

今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)