価格で負けて価値で選ばれず〜失敗する戦略 スタック・イン・ザ・ミドル

中途半端はもっとも危険な戦略だ!

中途半端なポジションを取った企業は、価格でも価値でも競争優位を築けません。

競争戦略の第一人者 マイケル・ポーターが警告するスタック・イン・ザ・ミドル(Stuck in the Middle) です。

戦略の成功には「選択と集中」が不可欠です。

3つの戦略から絞り込む

ポーターは違いで価値と利益を生む競争戦略を3つに分類しました。それぞれに集中することで競争優位が築けます。

  • コストリーダーシップ:業界で最も低コスト→ 価格競争で市場を獲得
  • 差別化:独自の価値や体験→ 他社との差別化で魅力を生む
  • 集中戦略:特定の市場に絞る→ 特定のお客様を確実に獲得

ただし、これらを同時に追求すると、誰にも響かない「中途半端な存在」になり、市場で埋もれてしまいます。

成功企業はやらないことを決めている

戦略とは“戦い”を“略す”こと。成功する企業は、何をやらないかが明確です。

戦略タイプ代表企業コア戦略やらないこと
コストリーダーシップニトリ、ユニクロ低コスト運営付加価値路線への投資
差別化任天堂、無印良品独自の体験・ブランド価値価格競争への参加
集中戦略マブチモーター、マキタ限定市場で圧倒的シェア短期間での市場拡大

中途半端な戦略は、価値と価格のどちらにも勝てずにシェアも利益も失います。

成功企業は「選択と集中」を実行し長期的に利益を築いています。大切なのは「やらないこと」を決めることです。

参考文献
 

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)