消費者の欲求射抜く 2つの眼〜4Pと4C〜

4Pは 売るための基本戦術! しかし…。

4Pはもっとも大切な主語が欠けている

企業の利益は、お客様の欲求を満たす価値と便益を届けることで生まれます。

4Pは、「どうやって商品を売るか?」の答えを示しています。しかし、よく考えると、最も重要な「お客様」という主語が抜け落ちていることに気づきます。

これでは、まるでレストランでお客様に「何を食べたいですか?」と尋ねもせずに、いきなり「これをどうぞ!」と望んでいない料理を出すようなものです。

4Cでお客様の立場を忘れずに

4Cは企業の立場で考えた4Pを、お客様の立場で考え直します。

お客様はコンビニエンスストアに対して、好きな時間に気軽に買い物ができる利便性を求めています。

もし何度、足を運んでもお目当ての商品の品切れが続けば、お客様は「せっかく来たのになぁ」と怒り心頭。他の店を利用(離反)するでしょう。

しかし、オーナーからすれば「売れ残ったら困るよ」が本音です。

セブンイレブンの仮説検証型発注システムは、企業の過剰在庫(4P)と、お客様の購入機会損失(4C)を同時に解決するしくみ。天気や曜日ごとの傾向、発注担当者の経験と本部の膨大なデータを掛け合わせ、必要な在庫数、発注数の予測を立て、商品の品切れを防ぎます。

このように4Pと4Cを組み合わせることで、中長期的に安定した利益を築くことができるのです。

 

『4Pと4C』
 4Pはお客様に製品を売る時に必要な4つの要素4Cはお客様が製品を買う時に感じる4つの心理的要素

 

参考文献

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)