得したい! だけど誰もが 損をする〜プロスペクト理論〜

利益と損失を 喜びと痛みの量で 測ってみたら?

人はみな 損失に対し 敏感だ!

プロスペクト理論は、人が損失を経験したときの痛みが、得をしたときの喜びの2倍から2.5倍(平均2.25倍)重く感じることを示す行動経済学の理論です。

『プロスペクト理論』とは?

人が損失を経験したときの痛みが、得をしたときの喜びの2倍から2.5倍(平均2.25倍)重く感じることを立証した行動経済学の理論

この理論は、感情的な偏りが意思決定にどう影響するかを解明しています。

送料を 取り戻そうと 浪費する

プロスペクト理論の中でよく知られている行動心理の一つが、既に支払ったコスト(送料や振込手数料など既に支払ったコストを取り戻そうとして、かえって損失を増やしてしまうサンクコスト効果です。

『サンクコスト効果』とは?

時間や費用など既に支払った回収不能のコストを取り戻そうとして、かえって損失を増やしてしまう行動心理

人は、“5,000円以上お買い上げで送料送料!”に惹かれて余分な買い物をします。

合理的な選択は、欲しい商品だけを購入し、送料を支払うことです。しかし、人は特典に刺激されて購入金額を増やしてしまうなんとも不合理な行動を取ります。

コラム 『マタンゴ』のキノコ
 東宝特撮の名作『マタンゴ』では、無人島に漂着した7人の若者が唯一の食糧はキノコのみという状況に置かれます。キノコを食べれば生きられますが食べた者は人間でなくなり、キノコと化す運命が待っています。目の前の生存の危機に直面し、欲求を抑えられずにキノコに手を伸ばしてしまう人間の心理を描いています。しかしラストで唯一生き残った青年の運命を考えると、キノコになった方が幸福かもしれません。

参考文献
  • ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)