種蒔きと金のなる木の育て方〜製品ポートフォリオ・マネジメント〜

成長の鍵を握る経営資源の適切な配分

限りある経営資源を成長分野に投入

企業の成長のカギは、経営資源の適切な配分です。限りある資金や人材を、成長が見込まれる分野に投資する必要があります。

製品ポートフォリオマネージメントは、縦軸に市場成長率、横軸に市場シェアの2軸で分類する4象限(マトリクス)で、製品(事業)を問題児花形金のなる木負け犬に分類し、投資の是非を見極めます。

 

『製品ポートフォリオ・マネージメント』とは?
 自社の製品の成長と衰退を見極め、経営資源を適切に配分し収益を獲得するための指針

問題児 実は未来の優等生!?

一癖も二癖もありそうな名称の4象限を見ていきましょう。

問題児は将来の収益源となる可能性があります。投資を増やせば主力製品になるかもしれません。

市場成長率とシェアが高い花形は競争が激しく、さらなる上を目指すには資源の集中が必要です。金のなる木は安定した利益を生む一方で成長が鈍化するため、利益を問題児に再投資することが理想です。利益が上がらない負け犬は撤退し、有望な製品に資源を振り向けるべきです。

成長を目指すには、金のなる木が枯れる前に、成長の可能性を秘めた問題児に投資して花形に育成するサイクルが理想です。

参考文献

 今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)