一生涯 お客様に届ける価値と得る利益〜LTV

お客様に長く愛され長期利益を築く法

価値と利益はコインの両面

新しいお客様の獲得が難しい今、LTV(顧客生涯価値)が注目されています。

利益と価値はコインの両面。LTVはお客様にとっては生涯にわたって受け取る価値の総量。企業にとっては、1人のお客様が生涯に渡ってもたらす利益の総量です。

製品を長く愛してくれるお客様の欲求を満たす価値を届け続けることが長期利益の源泉です。

「この指止まれ」で止まってもらうには

ネット証券の先駆者、松井道夫(1950-)は「囲い込まれたくない顧客などいない。『この指止まれ』で、止まってもらえる会社でなければならない」と主張します。

囲い込みとは、家畜が外へ出ないよう囲いの中に入れること。お客様は人間です。そして、他にはない独自性とお客様の悩みを解消する便益がなければ、指に止まってくれません。

イギリスのことわざ「愛情は細く長く」や洋酒のCMでおなじみの「少し愛して ながーく愛して」が示すように、長く続く愛情にこそ価値があります。

LTVを高める基本は「こんなところにも心配りが!」という驚きと感動を、お客様にずっと届け続けることです。

あの“3兆円企業” ユニクロは一つの製品にたっぷり時間をかけて、品質を改善する努力を続けています。

新しいフリースに袖を通した時に感じる「なんだか去年よりいいかんじ」。この感覚が、長期的な利益につながるLTV向上の鍵といえるでしょう。

『LTV』とは?
 一人のお客様が生涯にわたって企業にもたらす利益

参考文献

西口一希『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)