LTV向上の核心は、仕組みではなく価値そのものだ!
ユニクロが体現するLTV向上の秘密
LTV(LifeTimeValue)は、お客様にとっては、生涯に1つの企業が届けてくれる価値の合計。企業にとっては、1人のお客様が生涯に生み出す利益の合計です。
製品は、お客様がお金を出して買ってくれるものです。
対価に見合う、それ以上の価値を届け続けないと次は買ってくれません。
つまり、お客様の「買ってよかった」と感じる体験が積み重ねが、継続購入につながり、結果として利益が増えるのです。

あなたは、初めてヒートテックに出会った時の驚きを覚えていますか?
薄いのに暖かい素材は、従来の常識を覆しました。ユニクロは、季節ごとに商品の素材、縫製、デザインを改良し続けています。
- 冬の発熱素材ヒートテック
- 夏の速乾素材エアリズム
- 春秋のUVカット
LTVは 「人数 × 単価 × 継続率」 で表されます。
ユニクロの強みは、継続率の向上に直結する「究極の普段着」という価値です。


「この指止まれ」の先にある利益
ユニクロは、ポイントプログラムやサブスクリプションに頼らず、本質的なLTVを実現しています。
これは、ネット証券の先駆者 松井道夫(1950-)の「囲い込まれたい顧客などいない。『この指止まれ』で止まってもらえる会社でなければならない」という言葉に通じる考え方です。
- エアリズムを着たときの快適さ
- フリースに袖を通した瞬間の心地よさ

ユニクロは、満足感や感動という価値を届けることで、お客様が『指に止まる』長く愛されるブランドになりました。
その結果、ユニクロは時価総額3兆円規模の企業へと成長。LTV向上の鍵は、仕組みよりも価値そのものなのです。


参考文献
西口一希『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)