パレートの法則が導く収益最大化戦略
8割の収益を生む2割の優良顧客に注目
パレートの法則とは物事の80%の結果は、20%の要因から生まれるという経験則です。
物事の80%の結果は、20%の要因から生まれるという経験則
あなたの会社の経営資源を効果的に配分し、収益を最大化するための戦略を構築するためには、自社の顧客を分析することが重要です。
パレートの法則をビジネスに当てはめると、80%の収益はたったの20%の優良顧客から生み出されることを示唆しています。
言い換えれば、あなたの会社の成長は2割の優良顧客が鍵を握っているといえます。
パレートの法則は19世紀のイタリアの経済学者 ヴィルフレド・フレデリコ・ダマソ・パレート(1848-1923)が、1896年に提唱した法則です。
130年前に生まれたこの法則は、現代でも実用的価値を持ち続けています。その証拠に、あなたは「ウチの会社にも当てはまる」と納得するでしょう。
優良顧客の重要性と価値創出
いま市場は飽和状態に達し、新規顧客の獲得が難しくなっています。 そのため、優良顧客の維持が戦略の軸になります。
一時的な新規顧客獲得のための割引は、利益を薄くし、効果も短期的です。 また、SNSによる拡散も瞬間的で長期的な収益には寄与しにくい傾向があります。
その中で注力すべきはあなたのビジネスの価値を認識している優良顧客です。そのため、強引な販売や過剰な囲い込みは逆効果です。
優良顧客の離反を防ぐためには、好意度(プレファレンス)を高め、価値を維持することに専念することが不可欠です。
中小企業は、大企業と比較してお客様とのコミュニケーションが密接です。 この強みを活かし、製品やブランドの背後にあるストーリーや創業の歴史など、顧客の共感を呼び起こす情報を提供し、深い顧客関係を築く戦略が成長戦略の基盤となります。
さらに、優良顧客に特別なサービスや特典を提供することは、彼らのロイヤルティを高める助けになります。
これらの戦術を成長戦略に組み込むことで、優良顧客にとってあなたの企業は代替不可能な存在となり、顧客生涯価値(LTV)を向上させるでしょう。優良顧客を維持しつつ、新規顧客を獲得するバランスの取れた顧客戦略が、収益の最大化と企業の持続的な成功につながります。
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