欲しいのは親友みたいなお客様 〜ダイレクトマーケティング〜

そもそもダイレクトマーケティングとは何か?

ダイレクトマーケティングとは、顧客データを活用して一人ひとりに合った情報を直接届け、長期的な関係から利益を生み出す戦略です。

購買履歴や行動データをもとに、ダイレクトメールやニュースレターなどを通じて「その人にとって意味のある情報」を届けることで、新規購入や継続購入につなげていきます。

ダイレクトマーケティングの本質

ダイレクトマーケティングの父 レスター・ワンダーマンは次のように語っています。

「ダイレクトマーケティングは戦術ではなく戦略であり、主人公は製品ではなく顧客である。」

ダイレクトマーケティングは、DMを送るテクニック(戦術)ではありません。本質は、一生涯付き合ってくれるファンをどう増やすかという事業全体の戦略です。

  • 戦術:今月DMを1万通送ったら何個売れるか?
  • 戦略:顧客と直接つながり、データを蓄積し、そのデータをもとに長く付き合ってくれるファンを増やす設計図を描くこと

新しいクラスで迎える初日、ぎこちない挨拶から少しずつ心が通い始める瞬間を思い出してみてください。「この子とは気が合いそうだ」と感じる、あの小さなきっかけ。ダイレクトマーケティングの本質は、お客様との心の距離が縮まる体験を、設計することにあります。

「お客様は誰か(Who)」が主語。その欲求に合わせて「何を(What)」「どう届けるか(How)」を決める。これこそが、ワンダーマンの説くダイレクトマーケティングの真髄です。

お客様じっくり育てて生む利益

ワンダーマンが示した「4つのR」は、お客様との関係を育てる基本原則です。

  • Relevance(関連性):意味のある情報を届ける
  • Relationship(関係性):信頼を一歩ずつ積み重ねる
  • Repurchase(再購買):定期的に選ばれる習慣、動機付けをつくる
  • Retention(顧客維持):代替の効かない存在に高める

目指すべきは、一度きりの取引ではありません。潜在顧客をリピート顧客へ、さらに「これがないと困る」と思われるロイヤル顧客へと育てていくことが、長期的な利益の源泉になります。

学校の花壇に友達と種をまき、芽が出て、花が咲き、やがて実を結ぶように。ダイレクトマーケティングもまた、お客様との関係を丁寧に育てる積み重ねが成果を生む戦略なのです。

参考文献
 

レスター・ワンダーマン『ワンダーマンの「売る広告」』(翔泳社)