欲しいのは親友みたいなお客様 〜ダイレクトマーケティング〜

主人公は商品ではなくお客様

ダイレクトマーケティングの本質

ダイレクトマーケティングの主役は、商品ではありません。お客様です。

売り込みではなく、一人ひとりと向き合い、信頼関係を築くことが大切です。

新学期のクラスを思い出してみてください。

最初はぎこちなくても、挨拶を交わし、言葉を重ねるうちに「なんだか気が合うかも」と感じる瞬間があります。

ダイレクトマーケティングも同じで、時間をかけて関係を育てていくプロセスなのです。

お客様じっくり育てて生む利益

この手法では、お客様を潜在顧客、見込客、新規顧客、リピート顧客を経て親友のようなロイヤル顧客へと育てます。

一度の購入で終わらせるのではなく、継続的なつながりを作り出すことが目的です。

そのために、定期的なダイレクトメールやニュースレターで、お客様の関心に寄り添った情報を届けます。

重要なのは、「どのタイミングで、どんな内容を届けるか」という設計です。強引な売り込みは、信頼を損ねてしまいます。

ダイレクトマーケティングの父 レスター・ワンダーマン(1920-2019)が説く、ロイヤル顧客を育てる4つの要素が鍵となります。

  • Relevance(関連性): お客様に合った情報を届けること。
  • Relationship(関係性): 信頼を少しずつ築いていく姿勢。
  • Repurchase(再購買): 定期的に選ばれる習慣を作ること。
  • Retention(顧客維持): 他には代えがたい存在になること。

この4つのRを意識することで、お客様との関係性はより強固になります。

単なる取引相手ではなく、互いに理解し合える「親友」のような存在へとお客様を育てる。

それこそが、これからの時代に求められるダイレクトマーケティングのあり方です。

参考文献
 

レスター・ワンダーマン『ワンダーマンの「売る広告」』(翔泳社)