競争は価値こそが勝ちである 〜ポーターの競争戦略〜

ビジネスじゃ「みんなと同じ」は通用しない!

戦略は 他との違いを 作ること

競争戦略とは、他社との「違い」を生み出し、長期的な利益を勝ち取るための指針です。

もしすべての会社が同じことをしたら、どうなるでしょうか? 

価格競争に巻き込まれ、最終的には利益が減り、共倒れしてしまうのがオチです。

ここで登場するのが、マイケル・E・ポーター(1946-)の競争戦略です。

ポーターは、企業が「違い」で価値を生み出し、長期的に利益を上げる道筋を、3つの戦略で示しました。

  • コストリーダーシップ戦略: 低いコスト構造で違いを作る
  • 差別化戦略: 他社には真似できない価値で違いを作る
  • 集中戦略: 特定のお客様、地域などニッチに絞り違いを作る

インネパは どこに行っても バターチキン 

インネパと呼ばれるネパール人が営む料理店は、手軽にインド風カレーを愉しめるお店として人気です。

しかし、多くの店が「バターチキンカレー&ナン食べ放題」という成功例を模倣した結果、個性がなくなり、お客さんの心が離れてしまいました。

問題の原因は、他店との「違い」を作れなかったことです。

この危機を打破するため、一部のインネパ店主は競争戦略に挑戦します。

ただし、コストリーダーシップ戦略は安売りではありません。

これは、徹底的なコスト削減によって業界一の低コスト構造を実現する、大手チェーンのみが可能な戦略です。

そこで店主は、本格的なネパール料理差別化戦略を図ったり、ビーガンのお客様に絞って集中戦略を取ることで、インネパの復活に賭けます。

「ナマステ ポーター先生!」異国の地で挑戦が始まります。

 

参考文献

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)

室橋 裕和『カレー移民の謎』(集英社)