なぜ、お客様は購入後も情報を探すのか?
認知的不協和のメカニズム
認知的不協和とは自分の行動と心の中の考えがズレたときに生まれるモヤモヤした不快な気持ちです。
モヤモヤを打ち消すために「これでよかったんだ!」と自分の選択を正当化しようとします。
推理小説のベテラン刑事のセリフ 「ホシは必ず現場に戻ってくる」は、認知的不協和の核心を突いています。
犯人は「警察に捕まるわけない」と思っていますが、同時に「証拠は残していないか?」という不安(矛盾)を感じています。
この矛盾を解消するために、危険を冒してでも現場に戻ってしまう心理が働くのです。
人の心に認知的不協和がある限り悪事は必ずバレます。
認知的不協和を解決する方法
「フォードの広告を見る人の多くは、すでにフォード車を購入した人である」は、認知的不協和を解明した心理学者 レオン・フェスティンガー(1919-1989)のことばです。

商品を買った後に、お客様の心に「本当にこれでよかったのかな?」とモヤモヤが生まれます。モヤモヤを消すために、広告やホームページに必ず戻ってきます。
目的は、良い情報を探すためです。このタイミングで「あなたの選択は正しかったですよ」という情報を届けることは、お客様の離反を防ぎ、長期的な利益を築く上でとても重要です。




商品を深掘りした情報や「他のお客様もこんなに喜んでいますよ」という声を届け、お客様が購入後に感じるかもしれない不安を先回りして解消してあげれば、お客様との信頼関係を深めることができるでしょう。
『認知的不協和』とは?
自分の決断と行動に矛盾を抱えている不安定な心理状態
参考文献
リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(日経BP社)