身も蓋もない 消費社会を動かす原理原則
欲望は 一体何から 生まれるか?
依存効果とは、企業の巧妙な働きかけによって消費者の欲望が掻き立てられる現象です。
『依存効果』とは?
企業の働きかけにより消費者の欲望が掻き立てられる現象
経済学の巨人 ジョン・ケネス・ガルブレイス(1908~ 2006)は、「消費者は自分で何が欲しいのかを意識することができず、広告やマーケティングによってはじめて自分の欲望がはっきりする」と主張しました。
売るために 新たな欲望を 作り出す
マーケティング界のレジェンド フィリップ・コトラー(1932-)も「企業みずからが何らかの問題を生み出さなければ、人々に新しい欲望を生み出すことができなくなった」と、ガルブレイスと同様の見解を示しています。
たとえば、洗濯機は故障しなければ買い替えません。そこでメーカーは環境保護を謳い「節水&節電効果に優れたエコ家電」として洗濯機をアピールすることで、新たな欲望を生み出します。
このように、企業はマーケティングを通じて消費者に、潜在的な欲望に気づかせ、新しい市場を創出することで収益を維持しています。
参考文献
ジョン・ケネス・ガルブレイス『ゆたかな社会 決定版』(岩波書店)
見田宗介『現代社会の理論』(岩波書店)
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(新潮社)