新NISAは なぜこれほど広まったのか?
5つの購買スタイル
新NISAはなぜこれほど広まったのでしょうか?
答えはイノベーター理論にあります。
新しい商品が社会に広まる過程は、人の購買スタイルによって5タイプに分類できます。
- 積極派(16%):新しいものにすぐ飛びつく
- イノベーター(2.5%):新製品を試すことに抵抗がない
- アーリーアダプター(13.5%):流行の火付け役となるインフルエンサー
- 消極派(84%):新しいものには慎重
- アーリーマジョリティ(34%):周囲が使い始めてから行動する慎重派
- レイトマジョリティ(34%):大多数が使っているのを確認してから行動
- ラガード(16%):変化を嫌う
積極派と消極派の間には、深い溝、つまり16%の壁といわれるキャズムが存在します。
キャズムとは、熱狂的なファン層から、現実的で慎重な大衆へと広がる際に生じる深い溝のことです。
新製品の多くは、この溝を越せずに消えていきます。
シンプルなメッセージが心を動かす
2024年6月末の時点で成人の4人に1人がNISA口座を開設しました。
30代〜50代では普及率が16%を突破。キャズムを超えています。
- 30代: 4,249,508口座(普及率17.5%)
- 40代: 4,680,771口座(普及率19.3%)
- 50代: 4,613,256口座(普及率19.0%)
人々の心を動かした理由は非課税というシンプルなメッセージです。
「貯蓄から投資へ」という漠然としたメッセージではなく「利益に税金がかからない」という具体的なメリット。
なぜなら人には余分なコストを払いたくないという本能があるからです。
これが投資に慎重だった人々を動かした強力な動機の一つです。
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)