婚活サービスは少子化を救えるのか?
世の中が良くなるほどに利益も上がる
CSV(Creating Shared Value)経営って聞いたことありますか?
単なる社会貢献とは、ちょっと違うんです。
この考えの生みの親は、経営戦略の権威 マイケル・ポーター。
ポーターは、社会の課題を解決することが企業の競争力と利益を高めると主張します。
事業そのものに社会的な価値を組み込むことが、長期的な利益につながるという考え方なんです。

ユニクロ創業者の柳井正さんも「自らの商売を通じて社会を良くしていくことが究極の目的だ」と語っています。
これはまさにCSVの考え方と一致しています。
たとえば、日本が抱える少子高齢化の問題。
結婚したい人を応援する婚活サービスや、子育てを助ける育児施設事業は、少子化対策そのものですよね。
IBJやオーネットなどの婚活支援サービス、JPホールディングスやライクなどの子育て支援事業が成長しているのも、CSV経営の考え方が背景にあります。

IBJは「日本の婚姻組数の4%」を事業目標に掲げています。
日本では年間約50万組が結婚していますから4%は2万組。
2万組の家族のスタートを応援するのは、大きな取り組みです。
未来が見えてきますよね。
道徳と利益の両立は新しい資本主義だ
100年以上前、渋沢栄一は『論語と算盤』で「道徳と商売は両立すべきだ」と説いていました。
CSVは、道徳と利益の両立で、社会とともに成長する“新しい資本主義”の姿です。
渋沢栄一が関わった企業が今も続いているのは、道徳的な精神を事業に結びつけることで、企業は安定して長期的な利益を築いたからです。
その証として利益の象徴である一万円札には、渋沢栄一の顔が刻まれています。

参考文献
矢作敏行『コマースの興亡史』(日本経済新聞出版社)