種蒔きと金のなる木の育て方〜製品ポートフォリオ・マネジメント〜

種蒔きと収穫のバランスを見極める法

4タイプに分かれる製品

製品ポートフォリオマネージメントとは、自社の製品を、どれだけお金を稼げるか?、これからどれだけ成長しそうか?、どれだけ手元にお金を残せるか?、といった特徴に分けて戦略を立てる考え方です。

  • どれだけお金を稼げるか?:市場シェア
  • これからどれだけ成長しそうか?:市場成長率
  • どれだけ手元にお金を残せるか?:お金の流れ

この3つの視点から、製品は種蒔きから収穫までのサイクルのように4タイプに分かれます。

  1. 問題児
    • 将来性: 高い、実績: まだない
    • 将来有望なものの、まだ実績が伴わない製品。多くの投資と育成が必要な
  2. 花形
    • 将来性: 高い、実績: 高い
    • 最も資源を投入すべき製品。さらなる成長が見込める金のなる木予備軍
  3. 金のなる木
    • 将来性: 低い、実績: 高い
    • 追加投資は少なくても着実に収益をもたらしてくれる、まさに金のなる木
  4. 負け犬
    • 将来性: 低い、実績: 低い
    • 投資効果が見込みにくく、撤退や縮小を検討すべき枯れ木

限りある人材、資金など経営資源を無駄なく振り分け、それぞれの製品の収益性、成長性を活かした戦略を立て、目標とする利益達成に導きます。

相撲部屋に学ぶ製品の育て方

相撲界に置き換えると、親方は部屋の米びつを満たすために、力士たちを見極めています。

第75代横綱 大の里は、入門からわずか2年で金のなる木になりました。

大の里のような逸材をいかに見極め、育成・投資できるかが、親方=経営者の手腕です。

参考文献

 今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)