成長の戦略パターンはこの4つ

3分でわかる『成長マトリクス』

顧客の裾野を拡げる4つのパターン

戦略は“既存”と“新規”の掛け合わせ

成長マトリクスは、成長マトリクスは、ビジネスの領域を広げるための4つの主要な戦略パターンを提示する優れたツールだ。

『成長マトリクス』とは?
 企業が成長を続けるための4つの戦略パターンを示した枠組み

市場浸透戦略と製品開発戦略は、すでに存在する市場でお客様の支持を強化する戦略。対照的に、市場開拓戦略と多角化戦略は、新たな市場で革新的な顧客層を探求する冒険的なアプローチといえよう。

では、これらの戦略をおなじみの企業やブランドを通じて考察する。

1.市場浸透戦略

既存市場で自社の商品を更に浸透させる戦略。これは、お客様の範囲を広げ、市場における競争力を高める方法だ。

例えば、マクドナルドの朝マックは、朝の時間帯にお客様を引き寄せ、市場浸透を成功させた優れた事例といえよう。

2.製品開発戦略

既存市場で新しい商品や刷新された商品を提供する戦略でる。この手法は、既存市場における収益を増加させるために非常に効果的だ。

アサヒのマルエフは、35年ぶりに商品を刷新し、新しい顧客層を魅了した。これは製品開発戦略の成功事例といえよう。

3.市場開拓戦略

新しい市場に既存商品を導入し、新規の顧客を獲得する戦略。これは、既存商品を新たな地域や顧客層に展開することで成長を実現する方法だ。

ワークマンの「#ワークマン女子」ブランドは、作業服市場から婦人服市場への市場開拓戦略の成功事例である。

4.多角化戦略

未知の市場に新しい商品を投入し、新たなビジネスチャンスを追求する戦略。これは、新しい市場で新しい商品を提供することで、リスクを冒しながら成長を目指す方法である。

DHCは、翻訳業から美容通販市場へ進出し、多角化戦略を成功させたのだ。

揺るぎない成長の道筋を描くには

既存市場は、サッカーの試合に例えるとホームゲームのようなものだ。顧客とのコミュニケーションはスムーズで、商品の浸透も比較的容易だからである。

一方、新規市場はアウェイゲームと言えよう。市場には未知の競合相手が待ち受け、厳しい顧客層が存在する。

スタジアムでのブーイングを自社にエールに変えるような成功を収めるには、新市場における成長機会を見抜き、自社のポジショニングを強調することが必要だ。

戦略は市場によって異ななるが、成長マトリクスの4つの戦略は、あなたの会社のビジネスを拡大し、収益を増加させるための指針となることは間違いない。

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