市場から「最高のお客様」を見つけ出せ!
STP分析は、事業を成功に導く戦術のナビゲーターです。
- S:セグメンテーション=市場を区分図のように細かく分ける作業
- T:ターゲティング=その区分図から「ここに行こう」と目的地を決める作業
- P:ポジショニング=目的地(お客様の脳内)に「自分だけの旗」を立てる作業
企業はすべてのお客様を相手にすることは不可能です。
STPは、3つのステップの英語の頭文字。
たった3ステップで、商品を本当に必要とするお客様を見つけ、そのお客様の脳内に「この商品こそ私に合っているわ!」と刻み込みます。

ぴったりのお客様を選ぶ
まずセグメンテーション。市場を「年齢」「性別」「趣味」「ライフスタイル」などで細かく分けます。
いま話題の糖質オフ食品は、こんなグループに分けられます。
- 健康志向の人
- ダイエット中の人
- 医師から糖質制限を勧められている人

次に ターゲティング。分けたグループの中から「もっとも商品を買ってくれそうな人」を選びます。 ここで大事なのは「みんなに売ろう」としないこと。

広く浅くよりも、狭く深く浸透するお客様を選ぶ方が成功しやすいのです。
競合に勝つ「独自の価値」を刻む
最後は ポジショニング。選んだお客様に「この商品は他と違う!」と感じてもらうための仕掛けです。
数ある糖質オフ飲料からお気に入りを選ぼうとするお客様は、こんな気持ちを持っています。
- 「続けられるかな…」という不安
- 「でも美味しくないと嫌だな」という期待
「美味しいのに糖質オフ」というメッセージを打ち出せば、お客様の頭の中に強く残ります。

ポジショニングの方法はさまざまです。
- 商品特性で差別化(ニッチ・高機能など)
- 価格で差別化(業界最安値・高級路線)
- 販路で差別化(オンライン限定・専門店販売)
STP分析を行うと、商品は「本当に必要としている人」に届きます。 その結果、お客様に長く愛されるブランドの基盤が築かれるのです。
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)

