大相撲に学ぶ利益で満たす「米びつ」の作り方
土俵には金が埋まっている!
製品ポートフォリオマネジメントは、人・モノ・お金という限られた経営資源を、どの製品にどれくらい費やすかを決めて、全体の稼ぐ力を高めることです。
大相撲では収益を米びつと呼んでいます。いかに米びつを満たしていくかが、経営の肝です。

製品の一覧がポートフォリオです。市場でどれくらい伸びているか(市場成長率)と自社の製品がどれくらい売れているか(市場シェア)の2つの軸から、製品を4タイプに分けます。


問題児 実は未来の横綱か!?
相撲部屋を例にすると、力士(製品)を、将来性(市場成長率)と強さ(市場占有率)の2軸で査定。親方の育成方針に従い投資の配分を決めるイメージです。
問題児は未完成の原石。稽古で技を磨き、多くの人に知ってもらうための宣伝にお金をかけることが重要です。
花形は、優勝争いの常連で綱取りが目前。お客様を惹きつける目玉商品であり、米びつを潤す大黒柱です。
金のなる木は、抜群の集客力を誇る角界最高峰の横綱。安定した収益を得つつ、次の成長の種に投資していくことが大切です。
負け犬は成績が伸び悩む力士。引退後の進路を模索する段階。

2025年5月28日 第75代横綱に昇進した大の里(2000-)のように、入門からわずか2年で、金のなる木に成長した稀な例もあります。

製品の誕生から衰退までのサイクルを見極め資源の投入と撤退を判断することで、企業は安定して米びつを満たし、理想の成長が維持できます。

『製品ポートフォリオ・マネージメント』とは?
自社の製品の成長と衰退を見極め、経営資源を適切に配分し収益を獲得するための指針
参考文献
今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)