プロレスのスターシステムに学ぶ製品の投資配分
限りある経営資源を成長分野に投入
成長には、将来性のある分野への経営資源の適切な配分が不可欠。製品ポートフォリオマネジメントは、製品を問題児、花形、金のなる木、負け犬の4つに分類し、投資の是非を査定します。
将来の収益の柱 問題児への積極投資、成長著しい花形への資源集中、安定した利益を生む一方で成長が鈍化しつつある金のなる木で得た利益を問題児への再投資、負け犬からの撤退が長期的に利益を築く基本戦略です。

問題児 実は未来の優等生!?
プロレス団体は、興行、選手育成、スポンサー獲得、テレビ放送権、ネット配信、グッズビジネスまでを手がける垂直統合型ビジネスモデル。選手が収益を左右する製品です。
問題児は、未完成の原石。受け身や技を磨き、個性を際立せるキャラクターを確立します。
花形は、集客の要。ライバルとの因縁などファンが熱狂するストーリーを盛り込み魅力的な対戦カードを組みます。
金のなる木は、外にはプロレス界の重鎮、内には安定した観客動員力、若手のメンターとなるレジェンド的存在です。円熟の力を最大限に活かしつつ、世代交代も視野に入れます。
負け犬は試合以外の役割への配置転換を検討し、本人の適性に合った新たな活躍の場を探ります。
企業もプロレス団体のスターシステムのような戦略的なサイクルが重要です。
『製品ポートフォリオ・マネージメント』とは?
自社の製品の成長と衰退を見極め、経営資源を適切に配分し収益を獲得するための指針
参考文献
今枝昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)