「お返ししたい」この気持ちが利益生む!
試食品 カップだけ返して 立ち去れない
人が恩を返報性の原理とは、誰かから何か良いことをしてもらうと、「私も何かお返ししなきゃ」という気持ちが自然に芽生える心理です。
無料サンプルや、困った時に役立つ情報など、先に価値を与えることで、お客様は「助かった」と感じ、信頼感や好意を抱くようになります。
「この会社から買ってみようかな」「また利用したいな」という気持ちが生まれやすくなり、結果的に売上や利益の向上へとつながっていくわけです。
たった一口の試供品でも、人の心って大きく動かされるものなんですね。

人類を 繁栄させた 報恩の心
実はこの返報性の原理。はるか昔から人々の暮らしの中に息づいていました。
聖書には「受けるより与える方が幸いである」という言葉があります。
経済学の父アダム・スミス(1723-1790)は『道徳感情論』で「人が恩に報いようとする気持ちが社会のつながりを深める」と言っています。
さらに、ロシアの革命家 ピョートル・クロポトキン(1842-1921)は『相互扶助論』で「生物や社会の進化は、生存競争だけでなく、お互いに助け合う関係から生まれる」と説きました。
時代も場所も異なる偉人たちが、「与えること」や「お返し」の大切さを語っているのは、この返報性の原理が、人間の普遍的の心理として深く根ざしている証拠といえるでしょう。
AIやテクノロジー全盛の今日、お客様に喜んでいただける「与える」を意識した人間本来のコミュニケーションが、より重要になってくるはずです。
『返報性の原理』
人が他人から恩恵を受けると「お返ししたい!」という気持ちになる心理
参考文献
ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)