その道の プロのことばの持つ威力〜権威性の法則〜

権威性の法則と服従する心理とは?

権威性の法則の力 

権威性の法則とは人が意識せぬままに、著名人や専門家のことばに心を惹かれ、それに従ってしまう行動心理です。

『権威性の法則』とは?

世の中の有名人や成功者、専門家など権威の意見を信じやすいという人間心理

あなたに限らず多くの人は、医学界の権威が絶賛するサプリメントがあったら「効果がありそう」と興味を示すでしょう。

特に、日本においてはこの法則が根深く、有名人や専門家の発言に耳を傾け、物事を判断する傾向が顕著です。

この法則は、著名人や専門家の発言が私たちの意思決定に与える大きな影響を示しています。しかし、その影響に盲目的に従うのではなく、慎重に考える必要があります。

人は「誰が言ったか?」で態度が変わる!

「誰が言ったか?」という問いかけが、あなたの判断に大きな影響を及ぼします。その「誰」が、あなたの心に響くからです。たとえば投資家は、ごく当たり前の、誰でも言いそうな“株式投資の心得”の最後に記された人物名に、思わずひれ伏します。

その名は世界の株式市場に影響力を持つ投資の神様 ウォーレン・バフェット(1930-)。しかも彼の鶴の一声が、多くの投資家たちに大きな影響を与えることは疑いようがありません。

バフェットの「大量取得宣言」に耳を傾けた投資家は即座に反応し、株価は高鳴り市場は波立つことでしょう。

コラム  権威への服従の盲点
  戦後の未解決事件、帝銀事件と3億円事件には共通項があります。1948年の帝銀事件では、東京都防疫消毒班の腕章を身につけた人物に、20年後の1968年の3億円事件では、白バイに乗った警官に従いました。

2つの事件に共通するのは、肩書きや制服に対する権威への服従心です。この服従心が、犯罪に悪用されることもあるのです。

参考文献

ダニエル・カーネマン『NOISE 』(早川書房)

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)

松本清張『小説帝銀事件』(角川書店)