無意識の意識に 人は操られ
〜プライミング効果〜

プライミング効果

JR山手線 神田駅の発車メロディで思い出すブランドは?

思わずあのブランドに手が伸びる理由とは?

JR神田駅の発車メロディ。「あの曲、聞いたことある」と思ったあなた、それはモンダミンのCMソングです。

毎日、通勤や通学の中で耳にするうちに、モンダミンの「爽快感」や「清潔感」「心地よさ」というイメージが、知らない間に脳に刷り込まれていきます。

この現象が、プライミング効果です。

プライミング効果とは、先に受けた情報が、その後の行動や判断に無意識に影響を与える心理のしくみ。

駅で聞いたメロディが、ドラッグストアで何となくモンダミンに手が伸びるきっかけになっているかもしれません。

脳は静かに、でも確かにブランドを思い出す準備を進めているんです。

プライミング効果はブランディングの入口

をきっかけにブランド記憶させる。駅メロが効果的なのには、3つの理由があります。

  1. 広告っぽくない
    自然な環境音として流れてくるので、押しつけがましくなく、すっと心に入ります。
  2. 気持ちと結びつく
    「今日も頑張ろう」「もうすぐ家だな」というタイミングで流れることで、その時の感情と一緒に記憶され、ブランドへの好感が生まれます。
  3. 思い出しやすい
    繰り返し耳にすることで、「あのメロディ=モンダミン」というつながりができ、買い物の時に思い出しやすくなるんです。

テレビCMで、おなじみの曲が駅で流れる。

そこにあるのは、発売40年を迎えるロングセラーブランドの変わらず、止まらない姿勢。

日常に入り込み静かに確実にブランドを届ける。

ブランディングとは、商品を記憶させる、他の商品と識別しやすくする、好感度を生み出すこと。

ブランディングの理想形が、ここにあります。

参考文献

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)