無意識の意識に 人は操られ
〜プライミング効果〜

プライミング効果

無意識に購買を促す ちょっとしたヒミツ

「なんとなく買っちゃった」にはワケがある

あなたには「あれ、なんでかこの商品に手が伸びちゃったな」という経験がありませんか? 

その理由のひとつにプライミング効果という心の働きがあるかもしれません。 

プライミング効果とは、私たちが普段、気づかないうちに触れている情報が、その後の行動や気持ちにそっと影響を与える現象です。 

街でよく見る広告や、耳に残るCMソングが、いつの間にか心の中に入り込んで、何気ない瞬間に「これにしよう!」と購買の後押しをするのです。

ブランド×駅メロ=巧みなマーケティング

JR山手線 神田駅の発車メロディ。心地よいあの音、実はアース製薬の洗口液「モンダミン」のCMソングなんです。

毎日の通勤や通学で、このおなじみのメロディを繰り返し聞いていると、「モンダミン」とメロディがセットで自然と頭の中にインプットされます。

その後、もしドラッグストアで「そういえば、洗口液が欲しいな」と思ったとき、たくさんの商品が並ぶ中で、ふとあのメロディが頭の中で流れ出すかもしれません。

すると、メロディがきっかけとなって、他の商品よりも先に「モンダミン」が選択肢として浮かび上がり「よし、これにしよう!」と自然に手が伸びるというわけです。

『モンダミン×駅メロ』というプライミング効果を用いた戦略は、毎日の暮らしの中にブランドの情報をさりげなく溶け込ませることで、商品を思い出してもらうためのマーケティングの成功例です。

参考文献

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)