既存顧客が長期利益を築く鍵である!
新規開拓コストは意外と掛かる
新規顧客に商品を売るのは、既存顧客に売るのに比べ5倍もの費用がかかるという考え方です。
つまり、既存顧客への販売コストは、新規顧客への販売コストのたった5分の1で済むのです。
既存顧客は、すでに商品を知っているので、少ない労力で再購入してもらえる可能性が高いわけです。
浮いたコストは新規顧客を見つける活動に回すこともできます。

売上を支えているのは誰だろう?
多額のコストを掛けて獲得した新規顧客を、維持し育てることが長期利益に繋がります。
5対25の法則は、既存顧客が離れてしまう割合(離反率)をたった5%減らすだけで、会社の利益がなんと25%も増えるという驚きの法則です。
マーケティングの権威 フィリップ・コトラー(1931-)は、「業界によって数値は異なるものの、顧客離反率を5%下げれば25〜85%の収益拡大が見込めることがデータで示されている」と既存顧客維持の重要性を強調しています。
新規顧客獲得とともに、その後の既存顧客維持にこそ長期的な利益があるという視点を持つことが大切です。
「顧客に愛を」をモットーにする経営コンサルタント フレッド・ライクヘルド(1952-) が発表した2つの法則は、経験則に基づいたものですが、顧客戦略の指針です。
『1対5の法則』
既存顧客の販売コストは新規顧客の販売コストの1/5
『5対25の法則』
既存顧客の離反率を5%下げるだけで、利益が25%増加
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティング・マネジメント」(丸善出版部)
佐藤尚之『ファンベース』(筑摩書房)