パレートの法則は経験則とはいえ侮れない
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートは「社会全体の富の8割が上位2割に集中する」という偏りを発見しました。
「上位2割が、全体の8割の成果を生み出している」というパレートの法則 は経済や社会現象だけでなく、ビジネスにも広く当てはまります。
パレートの法則は、長期的利益を生む黄金比として強い影響力を持ち続けています。
ロイヤル顧客を守る集中戦略
ビジネスに当てはめると「売上の8割は上位2割の顧客が生み出す」という構図が見えてきます。
この2割のお客様は、購入頻度・単価ともに高いロイヤル顧客です。
ロイヤル顧客の重要な理由は2つあります。
- 利益効率が高い 新規顧客獲得コストは既存顧客維持の約5倍。ロイヤル顧客の満足度向上は最も効率的な利益拡大策
- 継続購入と紹介をもたらす リピート購入に加え、商品を薦める“伝道師”として新規顧客を呼び込む
ロイヤル顧客の維持・拡大には「分析 → 発掘 → 育成」の3ステップの集中戦略が有効です。
- 分析:購入頻度・商品・単価を整理し、価値ある顧客像を特定
- 発掘:新規顧客の中から予備軍を早期に把握
- 育成:限定情報や優遇サービスで特別体験を提供しロイヤルティを強化
母数の多い8割のお客様に目を奪われがちですが、長期利益を支えるのはこの2割のロイヤル顧客です。
可能性を広げる多様性戦略
商品別に見ると売上は上位2割に集中しがちですが、残り8割の商品も軽視できません。
インターネットの普及で、ニッチ商品が見つけやすくなり、積み重ねが大きな売上につながる ロングテール現象 が起きています。
マーケティングの権威フィリップ・コトラーは「販売数の少ない製品群が企業収益の半分を占める“50対50”に近づいている」と指摘。
つまり非売れ筋と思われていた商品群が収益の柱になり得るのです。
AI時代に光るのが、8割を活かす多様性戦略です。
- 多様なニーズを取り込む強さ :ニッチ商品を揃えることで特殊なニーズやコアファンを逃さない
- AI分析で未来の売れ筋を発見 :8割の商品データには潜在ニーズの手がかりが豊富。AIがパターンを見つけ、新たな成長領域を示す
パレートの法則を経験則と侮らずに理解すれば、2割の集中戦略と8割の多様性戦略の両輪で10割!企業は長期的利益を築けます。
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)

