長期利益 築いた理由 どこにある?〜KFS〜

ケンタッキーフライドチキンはなぜ長年にわたって愛され続けるのか

世界中で親しまれるケンタッキーフライドチキン(KFC)。

なぜこれほど長い時間、多くの人の“定番”であり続けてきたのでしょうか?

その答えの核心にあるのが KFS(Key Factor for Success:成功の鍵)です。

独自の強みを見ることで、世界的企業 KFCが築いてきたブランド力の源泉が浮かび上がります。

秘密は真似のできない価値にあり

KFSとは、企業の成功を支える“他には簡単に模倣できない強み”のことです。

製造技術、原料調達、サービス品質など、あらゆる独自性が含まれます。

KFCの場合、そのKFSは次のような価値に凝縮されています。

  • 独自の製造技術
  • 特別な原料調達力
  • 顧客を感動させるサービス

KFCは、これらが組み合わさることで、「代わりの効かないブランド」として存在感を確立し、世界中の人々に愛され続けているのです。

強みは「磨き続ける」ことで価値になる

KFCのKFSの起点は、創業者カーネル・サンダースが生み出した 秘伝のレシピと調理法 にあります。

そして、日本KFCの成長を支えてきたのは、原料調達力です。

  • 11種類のハーブ&スパイスを組み合わせ、独自の圧力釜で揚げる調理法(世界標準)
  • 契約農場から、厳しい基準を満たす鶏肉だけを安定して調達するしくみ(日本独自)

2024年秋に日本KFCは買収を経て新体制へ移行。これまでの調達体制に変化が生じる中、今後どのような新しいKFSを構築するのかが注目されています。

KFSは一度確立すれば終わり、というものではありません。

社会や技術、消費者の価値観が変わるたびに、企業のKFSも更新が必要です。

だからこそ企業は常に「いま、求められている価値は何か?」を問い続け、強みを磨き続けなければなりません。

この不断の探求こそが、企業の長期的な利益を支え、ブランドを未来へつなぐ原動力になるのです。

参考文献
 

大前研一『企業参謀』(講談社)