CRMは「人の心」を記録する商い帖
「覚えていてくれる」ってうれしい
CRMとはCustomer Relationship Managementの略称。
日本語だと顧客関係管理。
なんだか堅苦しいですが本質はシンプルです。
昔、商店で「商い帖(帳面)」にお客様の家族構成、購買傾向、過去の会話などを細かく記録して行っていた心の通った接客。
「ご主人、その後お加減どうですか?」「〇〇ちゃん、いつものお菓子あるよ」
このお客様への心遣いをテクノロジーで現代に再現することです。
| 昔ながらの商店 | 現代のCRMシステム |
| 商い帖 | CRMシステム |
| 記録を頼りに温かい接客 | データを活用し全てのお客様に個別のおもてなし |
| 「ご主人、その後お加減どうですか?」 | お客様の生活環境に合わせた情報発信 |
| 「〇〇ちゃん、いつものお菓子あるよ」 | 趣味や購買履歴に基づいた最適な情報 |
| 自然な気づかい | 絶妙なタイミングでの買い忘れ防止の通知 |
CRMの本質は、「記録」ではなく「記憶」。「データ」を「人を想う気持ち」を形にすることです。
その人らしさを、データで記録
CRMシステムは、お客様一人ひとりの「その人らしさ」をデータで記録し、活用します。
- 興味に合った情報
- 例:新製品に目がないお客様
- 目的:興味に基づいた最適な情報を届ける
- 関係性の深化
- 例:誕生日、記念日、過去の会話内容
- 目的:人間的な関係性を深めるきっかけ作り
- 離反防止
- 例:「前回から3週間」など
- 目的:消耗品の買い忘れなど、絶妙なタイミングでお知らせし、顧客の離反を防ぐ
- ロイヤルティの理解
- 例:高額商品への誘導
- 目的:累計購入金額、頻度向上
CRMは、AIの時代に、「あっ、おばちゃん覚えていてくれたのね」という温かい体験を届け長期的な利益につなげます。
参考文献
フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)

