「これ買った!」今度はアレが欲しくなり

ディドロ効果

3分でわかる『ディドロ効果』

揃えたい  欲求動かす その心理

人はみな 心にディドロを 飼っている

あなたには「服やバッグを自分のお気に入りのブランドで揃えたい」と思った経験がおありでしょう。この時に、あなたの心に生じた感情を『ディドロ効果』といいます。

ディドロ効果』とは?
人が暮らしの中に理想的な新しい価値を手にした時、それに合わせて自分が所有するモノや環境を変えたくなったり、一つ商品を買うと、他の商品も買いたくなる心理

『ディドロ効果』は、美の概念を追求したフランスの哲学者 ドゥニ・ディドロ(1713-1784)が、高価で美しいガウンの虜となり、ガウンに合わせるために高級品を買い漁り散財したことが由来です。

魅力的なブランドや商品が溢れる今日、いまや誰もがディドロになり得る時代です。

人々の不満が消費を作り出す

人は理屈ではなく心で動きます。マーケティングを成功させるためには、人の心を理解することが必要です。

人の心には、“不満や不便を解消する新しい価値を手にして環境を変えたい”という欲求があります。

1950年代後半から高度成長期にかけて洗濯機や冷蔵庫などの生活家電は人々の豊かさの象徴でした。人は、洗濯にかかる時間を短縮できる洗濯機を手にしたら、次は電気の力で食材を長く保存できる冷蔵庫が欲しくなります。人の心には一つの不満が解消すると次の不満が生まれます。

みんな うちじゅう なんでも ナショナル 

みんなみんな東芝 東芝のマーク

この時代のナショナルと東芝のCMは『ディドロ効果』そのものです。ライバル同士が、同じ趣向でCMを展開していたのです。

事実、炊飯器、テレビとナショナルや東芝ブランドの家電を次々に揃えた家庭が少なくありません。『ディドロ効果』の背景には同じブランドで環境を統一させたいという願望があるからです。

当時のナショナルや東芝のように、品質やアフターケアなどの「あの会社なら信頼できる」という価値を提供すれば、お客様は、あなたの会社の商品やサービスだけを選び続けます。『ディドロ効果』をうまく活かせれば、お客様との長期的な関係を築くことができます。

コラム 仮面ライダーカードの魔力
  消費文化が絶頂期を迎えた1971年、カルビーから仮面ライダースナックが発売され、子供たちの間で大ブームになり、最盛期には1日100万袋を売り上げます。

子供たちのお目当ては、おまけの『仮面ライダーカード』です。子供たにちの心には「すべてのショッカー怪人を揃えたい!」という欲望が芽生えます。

昭和の子供を虜にしたのは全カードを収納できる「仮面ライダーアルバム」と交換できるレアなラッキーカードです。少年少女の心に『ディドロ効果』が働きカードとアルバム欲しさに仮面ライダースナックを購入したのです。

参考文献
 石井淳蔵『ブランド 価値の創造』(岩波書店)