そもそもデザイン経営とは?
デザイン経営とは、デザインを単なる見た目ではなく重要な経営資源(投資)と捉え、イノベーション力とブランド力の双方を向上させる経営手法です。
米菓市場No.1を独走する「亀田の柿ピー」は、この“デザイン経営効果”で競争力を確立しています。
デザイン経営が利益を生む2つのしくみ
デザイン経営は、すでにあるもの同士を組み合わせて新しい価値を生む「イノベーション」と、その価値を正しく伝える「ブランディング」を両輪で回し、価格競争に巻き込まれずに長期的な利益を築きます。


亀田の柿ピーの成功には、この2つの力が凝縮されています。

- イノベーション:既存の組み合わせで新カテゴリーを創出 「柿の種×ピーナッツ」という既存の要素を組み合わせ、日常の「新しい定番」を確立。
- ブランディング:一目でわかる視覚効果と公的な信頼 「赤×オレンジ」のパッケージで店頭の認知度アップ。JAXA宇宙食として不動のブランドを確立。
60年に渡る価値と信頼の積み重ねが「柿の種は、みんなの愛でできている。」というコピーの象徴です。
デザイン経営が企業と社会にもたらす好循環
経済産業省・特許庁の『「デザイン経営」宣言』(2018年)では、デザインに戦略的投資を行った企業の利益が最大4倍に成長した海外事例が紹介されています。デザイン経営の価値は、企業の利益向上だけにとどまりません。
- 企業へのメリット
ファンが生まれ、収益が安定。(亀田製菓:柿の種愛)
最大の強みは、競合との不毛な価格競争から脱却し、中長期的な投資判断が可能になる点です。 - 社会へのメリット
魅力的な商品・サービスが増えることで消費が活性化。
企業の成長は雇用や税収を生み、日本全体のイノベーションを加速させます。
国の宣言からまもなく8年。「企業成長・顧客満足・社会貢献」を同時に実現するデザイン経営は、成熟社会における標準的な経営戦略になりつつあります。
参考文献
経済産業省・特許庁 産業競争力とデザインを考える研究会『「デザイン経営」宣言』

