経営の核に“デザイン”を据えた成長戦略に注目だ!
デザインは利益を増やす最強のツール
デザイン経営とは、企業の限られた経営資源をデザインへの投資に振り向け、経営の核にデザインを据え、そのデザインを通じて企業の理念や価値観を一貫して表現し、顧客に独自性を印象づけ、利益を増加させる経営戦略です。
デザイン経営におけるデザインは、装飾や単なる美しさだけに留まりません。デザインは独自性の源泉であり、顧客との強い結びつきを築く有力なツールでもあるのです。
デザイン経営の提唱者である永井一史(1961-)は、ご自身の著書『これからのデザイン経営』の中で、次のように述べています。
デザインはカタチを整えるだけのものではありません。企業が大切にしている価値、それを実現しようとする意志、そのような思いを具体的なカタチに落とし込み、それをあらゆる顧客接点において一貫したイメージとして伝えていくことで他の製品やサービスには代えられない価値を作り上げることができます。
ロゴ、パッケージ、ウェブサイト、ニュースレター、広告などは、商品やサービスに対する印象を育む重要な顧客接点です。
デザイン経営は、オンラインとオフラインの双方において、他社との差別化を明確に伝え、顧客の心に「代替不可能な存在」として刻むための鍵となります。
可能性の 種を育てる デザイン経営
2018年に経済産業省と特許庁が発表した政策提言『「デザイン経営」宣言』によれば、デザインへの投資によって、その4倍の利益が得られたというイギリスの成功事例が紹介されています。
経済産業省・特許庁『デザイン経営』宣言
デザインへの投資が即効で収益をもたらすわけではありませんが、日本の中小企業の99.7%にとって、デザインを活用することは長期的な成長に向けた重要な手段となります。
『中小企業のためのデザイン経営ハンドブック みんなのデザイン経営』PDF版
デザイン経営は、経済産業省や特許庁が提唱する通り、デザインへの投資が企業にとって多大な利益をもたらす可能性があることを示唆しています。
デザインを経営の中心に据え、独自性を強調し、顧客との結びつきを高めることで、利益を増加させることができるのです。経済産業省や特許庁の提言に注目し、デザイン経営を取り入れて、長期的な成長に向けた成功の道を歩みましょう。
つまり色や形の狭義のデザインと、経営のデザインまで含む、より広い概念のデザインとが錯綜していることを指摘しています。これからは、単に見た目の表面的な要素として捉えるのではなく、経営戦略や顧客獲得、よりよい顧客体験のためのデザインと考えることが必要です。
永井一史『これからのデザイン経営』(クロスメディア・パブリッシング)
片平秀貴・古川一郎・阿部誠『超顧客主義 顧客を超える経営者たちに学ぶ 』(東洋経済新報社)
経済産業省・特許庁 産業競争力とデザインを考える研究会『「デザイン経営」宣言』
特許庁『中小企業のためのデザイン経営ハンドブック』
経済産業省『我が国の新・デザイン政策研究 ~海外のデザイン政策動向・教育事例調査、デザインが企業経営に与える効果の先行研究レビュー』