4倍の 利益も決して 夢ではない!
〜デザイン経営〜

デザイン経営

そうだったのか!デザイン経営

デザイン経営とは、顧客体験を起点に企業の利益構造を再設計する経営戦略です。

日本の市場は人口減少と新規顧客獲得コストの上昇で「売上拡大型モデル」が機能しにくい成熟局面。既存顧客との関係を深め、LTVを高めるのが理にかなった戦略です。

  • イノベーション:生活者にとって“新しい体験”をつくる
  • ブランディング:その体験を「特別な存在」として記憶させる

この2つを統合し新しい価値を生み出すことで、利益構造を強化できます。

なぜ『亀田の柿の種』は文化になったのか?

地方の一米菓メーカー 亀田製菓がグローバル企業に成長できた背景には、代表ブランド『亀田の柿の種』のヒットにあります。

① イノベーション:既存要素の再設計

  • 柿の種+ピーナッツという組み合わせ
  • “黄金比率”による味覚体験の設計
  • 米菓売上No.1

これは「新発明」ではなく既存要素の再構築。“イノベーションの父” シュンペーターが示した「新結合」の発想です。

② ブランディング:体験の記号化

  • 赤×オレンジの一貫したパッケージ
  • JAXA宇宙食認証の信頼
  • 「柿の種は、みんなの愛でできている。」キャンペーン

体験を“文化”として記憶させることで米菓業界で競争優位性を築き、価格ではなく価値で選ばれる商品になりました。

生存戦略としてのデザイン経営

2018年、経済産業省と特許庁は「デザイン経営宣言」を発表。そこでは、デザイン投資で営業利益率が4倍に向上した事例が示されています。

成長戦略の文脈で語られるデザイン経営。しかし成熟市場では生存戦略。日本の生活者が求めるのは“いまの生活の延長線上にある幸福”。大きな変化を望まない生活者に対し、日常の微細なストレスをデザインで解消し、「これが欲しかった」というか価値を作ればよいのです。

  1. 顧客獲得コスト削減
     指名買いが増えれば宣伝費削減
  2. 価格競争から脱却
     代替の効かない体験で適正価格維持
  3. LTV向上
     習慣化で離反率が下がる
  4. プレミアム価格の受容
     情緒的価値に対価が支払われる

売上を追う時代から選ばれ続ける理由を設計する時代。成熟市場でも4倍の利益は、決して夢ではありません。

参考文献

経済産業省・特許庁 産業競争力とデザインを考える研究会『「デザイン経営」宣言』

経済産業省・特許庁『デザイン経営』宣言