“お気に入り!” 手放せないあなたの 胸の内

少数の法則

3分でわかる『保有効果』

人はみな 自分の物に 愛着がある!

保有する だから愛着と 価値が沸く!

人は自分が保有するものに高い価値を感じ、手放したがらない傾向があります。この行動心理を『保有効果』といいます。

『保有効果』とは?

自分が所有しているものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理

さて、あなたは、お店でついポイントカードを奨められると、つい加入してしまうのではないでしょうか?

「今なら新規加入で5000ポイント進呈」と言われると、ポイントを使わないままではもったいないような気がして、つい利用するのが人間心理です。しかも一度、利用すると、その後もカードを利用する傾向が高くなります。

その理由は、5000ポイントが付与され自分の所有物になるのと同時に、カードを所有しているだけで、所有する前よりも高い価値を感じるからです。この時にあなたに働いた心理が『保有効果』です。

手放せば “2度と手に入らぬ ” という後悔

人は、物を持っている場合には「手放したら2度と手に入らないかも」と、それを手離す苦痛が生じ、持っていない場合には、手に入れる喜びが生じます。

人には新しい物を手にする喜びよりも、いま保有している愛着のある物を手放していく事への抵抗が大きく働くのです。

しかも一度、自分の物にすると入手前よりも、心の中で価値は2倍以上に高まり、手放したくない気持ちが強まるのです。だからマニアはどんなに高値がついても愛着のあるコミックの初版本やレアなフィギュアを手放さないのです。

この『保有効果』はリチャード・セイラー(1945-)とダニエル・カーネマン(1932-)、エイモス・トベルスキー(1999-1996)のという行動経済学の3大権威が共同で取り組んだ研究だけに、マーケティング施策を行う上で、しっかりと抑えておきたい行動心理です。


コラム:寅さんが売りたくない絵
  『ほんとに自分の気に入った作品っていうのは売りたくないもんなのよ。かといって、気に入らない作品ってのはますます売りたくないでしょ』

『男はつらいよ 私の寅さん』のマドンナ 柳りつ子のセリフです。岸惠子演じる画家のりつ子は生活が苦しくても自分が気に入っている作品は、お金に代え難いと思っています。

寅次郎は、そんなりつ子との恋に破れ旅に出て干支の絵を売ります。その店先に、りつ子に描いて貰った自画像を飾ります。絵には、大きく『非売品』と書いた札が貼られています。

参考文献
 ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)

リチャード・セイラー『セイラー教授の行動経済学入門』(ダイヤモンド社)