欲求を バネに生きてる私たち

3分でわかる『マズローの欲求5段階説』

お客様の欲求は5段階のピラミッド 

欲求を紐解くステップ 5段階

人は何らかの欲求を抱えて生きています。商品の購入の背景に潜むものも欲求です。欲求を探る指針がマズローの欲求5段階説です。

『マズローの欲求5段階説 』とは?

人間の欲求は5つの段階に分類されるという学説

1943年 心理学者 アブラハム・マズロー(1908-1970・アメリカ)

世の中には、人々の欲求と生活の不便を解消するための新しい商品やサービスが次々に生まれ、私たちの生活は快適になりました。

世の中には、新しい商品やサービスが次々に登場し、私たちの生活はますます快適になっています。これからも、消費者の心に響く新たな商品やサービスを提供することが、マーケティングにおいて重要なテーマとなるでしょう。

人間の 5大欲求はこう動く!

『マズローの欲求5段階説』を用いて日本人の家電消費の歴史を紐解きます。

日本人の欲求と家電消費の変遷

1.『生理的欲求』:食料や睡眠時間を確保したい

1945年、敗戦で焦土と化した日本。人々は「お腹いっぱい食べたい」「屋根のある所で眠りたい」という”生理的欲求“を抱きます。電力供給は逼迫し、家電どころか1日を暮すのに精一杯の時代です。


2.『安全欲求』:生活の安全や安心を得たい

戦後復興を遂げ経済成長の入口に立つと、人々は快適な空間で安心して暮らしたいという“安全欲求”を満たすために、洗濯機・冷蔵庫・白黒テレビの「三種の神器」と呼ばれた家電に憧れました。


3.『社会的欲求』:社会と関わり貢献したい

消費が成熟期に入ると、人々は省エネなど社会問題に関心を持ちます。環境に配慮することを通じて社会貢献を果たすために「エコ家電」を選び“社会的欲求”を満たしました。


4.『承認欲求』:他者からの評判を得たい

ダイソンやパルミューダなどのデザイン性に優れていて周りに自慢できるようなおしゃれな「デザイン家電」を所有することで”承認欲求“を満たします。


5.『自己実現欲求』:あるべき自分になりたい

2000年代、女性の社会進出が加速し、「仕事でも輝きたい」という女性の”自己実現欲求“を叶えるために食洗機やロボット掃除機などの「時短家電」がヒットします。

人は最終的に、自己実現の欲求に向かっている

アブラハム・マズロー

80年前にマズローが唱えたとおりに、人は欲求の階段を登り詰め自己実現の欲求に辿り着きました。

自己実現欲求を満たす商品をヒットさせるには、消費者の意識には表面化していない見えない欲求を探り出す必要があります。

そのためには、心の奥深くに潜むダークな部分、つまり他人には語れないような欲求や自己のコンプレックスに踏み込むことが必要なのです。

マーケティングでは、消費者の欲求を理解し、それに合った商品やサービスを世に問うことが成功への一歩です。

自己実現欲求を満たす商品は、人々の心に深く響き、長期的な成功を収めることができるでしょう。それには、洞察力と共感力を持ち、消費者の本当の欲求に気づくことが重要です。

参考文献

鹿毛康司『「心」が分かるとモノが売れる 』(日経BP)

フィリップ・コトラー『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』(朝日新聞出版)