高くても 買うのは好きな人の店

少数の法則

3分でわかる『好意の法則』

好意湧く 人の心のメカニズム

モノよりも 人への好意で 欲しくなる

あなたは商品の購入を決めた時、商品を売る人に対する好意が強く働いたことがあるのではないでしょうか?この心理を『好意の法則』といいます。

『好意の法則』とは?
 人が持つ好意を感じている人物の意見を受け入れやすいという行動心理

あなたに限らず、人は誰しも自分が好意を感じている人物の意見を受け入れやすいものです。自分が好意を抱く人のSNS のコメントが、企業側の発信より響くことがあるのもそのためです。

さて、あなたは、みんなの評価が今一つの映画を、「観ようか? 観まいか?」と迷った経験があるでしょう。

文句なし星3つ!

と、自分が好意を抱いている批評家だけが、その映画を絶賛していたら、批評に納得して「観よう!」と思うのではないでしょうか?

人は、自分に似た人の意見に好意を抱きます。「入っても続くかなぁ」と入会を迷っていたフィットネスジム。

3日坊主の私が続けられた!

ふと目にした広告の中の体験談に親近感が湧き「 自分と同じタイプの人が続けられるなら私でも」と背中を押されます。

繰り返し接することで増す好意

商品そのものは、どの店で買っても同じです。しかし、人は合理的な判断をするわけではありません。その理由は、人には『好意』という感情が生まれるからです。

あなたにも「ちょっと遠いけどあのお店に行く」とか「少し値段が高くてもあの人から買うのよ」と贔屓にしている店や店員さんがいることでしょう。

「あの人から買いたい」という感情が生まれるのは、お互いの顔を認識し、ことばを交わすなどコミュニケーションを繰り返すことで、心の中で好意が高まり記憶に残るからです。この行動心理を『ザイオンス効果』といいます。

『ザイオンス効果』とは?
 繰り返し接することにより心の中で好意が高まり記憶されやすくなる心理効果

人が「ここはいい会社だよ」とか「あそこはいいお店ね」と言う時に、真っ先に頭に思い浮かべるのは『人』です。

「あの人から買いたい」と人に好意を湧かせることは、リピーターを生むために欠かすことができないマーケティングの基本です。


COLUMN ミス・マーサの好意の顛末
  パン屋のマーサは、古くて安いパンしか買わない常連客 ブルムバーガーに、好意の印として、中にたっぷりバターを塗り込んだパンをサービスします。ところがブルムバーガーは、バターのせいで仕事を台無しにします。建築家の彼はパンを食べるのではなく、製図を描く時に消しゴムの代わりに使っていたのです。

O・ヘンリーの小説『ミス・マーサのパン屋』の主人公マーサの好意は、とんだ仇となります。ブルムバーガーには古くて安いパンを購入する理由があったのです。好意と考えて提供したサービスが、必ずしも顧客のニーズと一致しないことがあります。好意を示すのは難しいものです。

参考文献
 

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)

リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(早川書房)

阿部誠『サクッとわかるビジネス教養 行動経済学』(新星出版社)