同じモノ 好意を抱く人の 店で買う

マケの門

3分でわかる『好意の法則』

人が心の中に抱く好意の正体

繰り返し 接することで 増す好意

人は自分が好意を感じている人物の意見を聞き入れやすい傾向を持っています。この行動心理が、アメリカの社会心理学者 ロバート・B・チャルディー二(1945-)が著書『影響力の武器』の中で説く『好意の法則』です。

半世紀にわたりCMに起用される大女優
 日本を代表する女優 岩下志麻(1941-)は、1972年から80歳になる今日まで半世紀に渡りメナード化粧品のイメージキャラクターを務めています。

女優生活60年を超える岩下志麻。文芸作品でヒロインを演じた松竹の看板女優の時代を思い浮かべる世代もいれば『極道の妻たち』の気丈な姐さんのインパクトが強く残っている若い世代もいます。すべての世代の記憶に残り、共通して岩下志麻に抱くイメージが「メナードのCMの女優」なのです。

多くの人々が好意を抱く人気スターの印象は、そのまま商品やブランドの印象に反映されます。だから人気スターがCMに起用されるのです。

『好意の法則』とは?
 人は、好意を感じている人物の意見を聞き入れやすい傾向を持っている

長期にわたって著名人がCMに起用される理由は、繰り返し接触することで、好意が高まり消費者に記憶されやすくなるからです。この心理を『ザイオンス効果』といいます。

『ザイオンス効果』とは?
 人は、繰り返し接することにより心の中で好意が高まり記憶されやすくなる

“物”よりも “人”に好意を感じる 胸のうち

世の中には、立地が悪くても、優しく愚痴を聞いてくれる酸いも甘いも噛み分けたママの人柄に惹かれて繁盛するスナックが存在します。

あなたにも「ちょっと遠いけど自分の好きな店に行く」とか「ちょっとくらい値段が高くてもあの人から買うのよ」というお気に入りの店や店員さんがいるのではないでしょうか?

あなたにとっては商品そのものは、どの店で買っても同じです。しかし何度か顔を合わせて会話をし、顔なじみになるにつれて、徐々に好意が生まれ「あの人から買いたい」という感情が湧いてきます。

人は“物”だけではなく“人”も見ます。人に抱く好意は、ある“物”に興味を持ったり、“物”を買いたいと思うきっかけになります。

人が購入を決める動機は、その商品に対する好感度よりも、CMで商品をお奨めする人やお店で商品を売っている人に対する好感度の方が強く働く場合があります。人が「ここはいい会社だよ」とか「あそこはいいお店」と言う時に、真っ先に頭に思い浮かべるのは”人”だからです。

「あの人に会いたいから」とか「あの人から買いたい」と人々に感じさせることは、リピーターを生むために不可欠なマーケティングの基本です。

好意を感じる“人”の奨める商品だから「良い商品」と感じたり、料理を「美味いっ!」と感じるのです。これが『好意の法則』の及ぼす影響力です。

参考文献
 

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)

リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(早川書房)

リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』(早川書房)