中途半端はもっとも危険な戦略だ!〜スタック・イン・ザ・ミドル

二兎は追うなよ!スタック・イン・ザ・ミド

スタック・イン・ザ・ミドルとは、競争のルールを説いたマイケル・ポーターが警告する自分たちの強みを見失い、どこにも勝ち目がない最悪の状態。

  • 安さで突き抜けているわけでもなく、これといった特別な魅力もない。お客様から見れば「あえてここを選ぶ理由」がない

何を捨て、どこに絞るかという決断が、生き残りの鍵!

3つの戦略と最大の罠

ポーターは、利益を出すための3つの型をまとめました。

ポーターの競争戦略です。

勝ち抜く形
1. 圧倒的な安さ コストリーダーシップ他が真似できない低コストで、価格の主導権を握る。
2. 独自の魅力 差別化ひと味違う使い心地や体験でお客様に「高くてもこれがいいわ」といわせる。
3. 狭い領域に絞る 集中特定の分野だけに全精力を注ぎ、その中だけで一番になる。

どっちつかずは、3つのどれにも振り切れず、ボヤけたまま失速!

選ばれる理由が消えれば、不毛な値下げ競争に飲み込まれ、蓄えは底をつきます。

コダックの崩壊と再起

写真フィルムの王様 コダックの歩みは、迷いと立て直しの歴史。

デジタル化の波が押し寄せる中、中途半端にあれこれと手を広げすぎたコダック。

立ち位置を見失い、2012年に経営破綻しました。 

しかしコダックは何でも屋をきっぱりと捨て、「どこで戦い、どこで戦わないか」の線を引くことで蘇りました。

いま街で見かけるコダックのTシャツも、ただの流行ではなく「ブランドの看板で稼ぐ」という決断の結果!

① 事業の柱:特定の相手に絞る

  • 領域: 映画の作り手や製薬会社など限られたプロの市場。
  • 強み: 他では代えがきかないフィルム技術と化学の知見。
  • 理屈: 一般のお客様の市場を捨て、自分の強みを活かせる場所へ資源投下。

② 資産の活用:名前を貸して稼ぐ

  • 動き: 服や雑貨などの展開。
  • 理屈: 自社で工場を持つリスクを避け、積み上げてきた「世界観」を貸し出すことで、現金を生む

コダックは、本業で稼ぐための集中と、ブランドで食いつなぐための切り分けを断行!

この役割の仕分けこそが、最悪の状態を抜け出した理由。

“時代に乗り遅れた巨人”というイメージの裏で、組織を小さく作り替えたコダックの戦略。

そのブランドは新しい世代に脚光を浴びています。

参考文献
 

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)