欲しいのは親友みたいなお客様 〜ダイレクトマーケティング〜

主人公は商品ではなくお客様

新学期のクラスの空気にヒントあり

新学期の教室。初めて顔を合わせるクラスメイトとの間に、どこかよそよそしい空気が漂います。

挨拶を交わし言葉を重ねるうちに、「この子、なんだかいい感じっ!」と自然に惹かれ合い、気がつけば生涯の親友になっています。

学生時代に体験した時間をかけて育む友情のプロセス。この体験が20世紀で最も偉大な広告人 レスター・ワンダーマン(1920–2019)が世に広めたダイレクトマーケティングの普遍の本質です。

お客様じっくり育てて生む利益

ワンダーマンは「ダイレクトマーケティングの主人公はお客様」と力説します。

ダイレクトマーケティングは、ダイレクトメールや定期的にニュースレターを発行し、お客様と直接的な繋がりを作る戦略。目的は、お客様に数ある商品の中から「まず一度買ってみよう(新規購入)」と選んでいただき、「これからも定期的に買おう(リピート購入)」と習慣化してもらうことです。

お客様は、潜在顧客見込客新規顧客リピート顧客という段階を経て親友のようなロイヤル顧客に成長します。

強引な売り込みは禁物。お客様が興味を持つ情報、過去の購買履歴といったデータを駆使し、「お客様に、どのタイミングで、どのような情報を届けるか?」この単純なようで、実は緻密な作業が成否を分ける鍵です。

 

『ダイレクトマーケティング』
 企業がお客様と直接コミュニケーションを取り、反応を得ることを目的にした手法

参考文献
 

レスター・ワンダーマン『ワンダーマンの「売る広告」』(翔泳社)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)