市場には5つの脅威が待ち受ける 〜ファイブフォース分析〜

市場で競争せずに勝つ方法

5つの視点で市場を攻略

世の中には儲かりやすい構造の業界もあれば、儲かりにくい構造の業界もあります。企業同士が互いに競ってお客様を奪いあう状況を競争構造といいます。

ファイブフォース分析とは、競合買い手仕入れ先新規参入代替品の5つの視点から自社の業界の競争構造を分析し業界内で競争優位を確立するための戦略の土台です。

『ファイブフォース分析』とは?
 競合、買い手、仕入れ先、新規参入、代替品の5つの視点から自社が属する業界の競争構造を分析し、業界内で競争優位を確立するための戦略の土台

どの業界も買い手仕入れ先なしに存続は有り得ません。それだけに両者間では利益の綱引きがあり、時として両者の要求が脅威になります。

競合が多ければ多いほど利益は低くなります。業界が利益をもたらす構造であれば、新規参入を狙う企業が利益を奪いに現れます。さらに、フロッピーディスクが不要になったように市場に現行製品以上の価値を持つ代替品が登場すれば業界全体の利益が奪われてしまいます。

ノドを守る会社の攻めの戦略に学ぶ

市場を見渡すと、儲かりにくい業界の中にも高収益企業が存在し、高い利益水準の業界にも低迷する企業が存在します。勝敗は5つの脅威を防御する戦略で決まります。

戦略の本質は、競争せずに自社の強みと独自性を活かして市場で地位を確立することです。「ゴホンといえば龍角散」でお馴染みの龍角散は、『真似されず、真似せず』の理念の下で、のどをスッキリさせることのみに経営資源を集中し、競合が真似のできない価値をお客様に届けています。

龍角散のブランド力、お客様と仕入れ先との良好な関係は、5つの脅威を克服し長期的な競争優位性と利益を維持する経営のお手本です。

コラム 「スターウォーズ』とフォース
  多くの人は、フォースということばから『スターウォーズ』のフォースを想起するでしょう。字幕翻訳者の岡田壮平は、フォースを理力と訳しました。

ジェダイは穏やかな感情から生まれるフォース。シスは負の感情から生まれるフォースと、同じフォースでも2者には大きな違いがあります。さらに双方の武器 ライトセーバーの原料であるクリスタルは希少な資源です。『スターウォーズ』は、銀河を市場に例えるなら舞台にしたフォースの差異を巡る市場の覇権争いと資源の争奪を描いた物語です。

参考文献

マイケル・ポーター『競争戦略論』(ダイヤモンド社)

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)

今枝 昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)