市場には5つの脅威が待ち受ける 〜ファイブフォース分析〜

「業界を査定してやるよ」競争で圧勝する勝者の条件

競争の激しい世界で勝つポジション

世の中には、儲かりにくく競争が厳しい業界で一人勝ちしている企業があります。


一方で、儲けやすい業界にいながら苦戦を強いられる企業も存在します。この違いを生むのが戦略です。

業界は収益を奪い合うリング。そこで勝つには、利益を奪う原因を見極め 「どう戦うか」 を決めることが不可欠です。

“未知の業界に乗り込むか、いまいる業界で生き残るか?” プロレスラー ウナギ・サヤカ(1986-)の「査定してやるよ」の精神が戦略への入口です。

ファイブフォース分析は、業界の収益を揺るがす原因を新規参入競合代替品仕入先買い手の5つの脅威で査定します。

龍角散の競争せずに勝つ戦略

高収益のイメージがある製薬業界。実は薬価引き下げなど国家の規制圧力が大きく、必ずしも安泰な業界とはいえません。

その中で独自のポジションで長期利益を築く企業が龍角散です。

圧力を受けにくい第三種医薬品に分類される龍角散は『真似されず、真似せず』という理念のもとで「のどをスッキリさせること」に経営資源を集中。のど飴市場で25%のシェアを獲得し、2024年3月期には約9億6,500万円の純利益を計上しました。

新製品の投入、さらに便秘薬 毒掃丸の山崎帝国堂と資本業務提携を結び、家庭でのセルフメディケーションの促進に取り組みます。

戦略とは、競争を避けて、他と違う価値を一貫して、お客様に届け続けること。龍角散は、そのお手本です。

 

『ファイブフォース分析』
アメリカの経営学者 マイケル・ポーター(1950-)の競争下で業界の利益を奪う原因を5つの競争要因で分析する手法

参考文献

マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)

今枝 昌宏『実務で使える戦略の教科書』(日本経済新聞出版社)