消費者の欲求射抜く 2つの眼

3分でわかる『4Pと4C』

お客様の立場で商品を提供しリピーターを生むためのポイント

4Pは収益を生むための出発点

4Pとは、お客様に商品を売るために必要なProduct(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(宣伝)という4つの要素です。

ビジネスの基本である『お客様に商品を購入していただくために何をすべきか?』を考える時に、4Pを用いると整理しやすくなります。

『4P』とは?
 お客様に商品を売る時に必要な4つの要素

Product製品どんな商品なのか?
Price価格いくらで売るのか?
Place流通どこでどう売るのか?
Promotion宣伝どう伝えるのか?

4P4Cマーケティングの本質

マーケティングの本質は、お客様の欲求を満たし、お客様がワクワクするような商品を販売し、収益を生み出すことです。

イトーヨーカ堂、セブンイレブンの創業者 伊藤雅俊(1924-2023)は次のように述べています。

お客様だったらどう考えるか、何をお求めなのか、値段、品質、味、サービス、いずれもお客様の立場に立って考えれば何が必要かわかるはずです。

マーケティングには4Cというお客様との関係性に比重を置いた考え方があります。

商品を売る立場で考えた4Pを、商品を買ってくださるお客様の気持ちで考えると、Customer Value(価値)・Cost(コスト)・Convenience(利便性)・Communication(対話 )の4Cになります。

『4C』とは?
お客様が商品を買う時に感じる4つの心理的要素

Customer Value価値お客様にとっての便益
Costコストお客様にとっての時間・労力・心理的負担
Convenience利便性お客様にとっての買いやすさ
Communication対話お客様にとっての情報発信

4Pと4Cは、ネガティブとポジティブのような関係です。2つを組み合わせれば、お客様との強固な関係を築くための強力な基盤となります。

事実、セブンイレブンは100円コーヒーやATMの設置など、お客様の要望に合致するサービスを打ち出し、流通業界で不動の地位を築きました

コラム  クルマを手放す時代到来⁉︎
  ITやAIの進歩、人々の価値観の変化により、ビジネスモデルや収益構造が大きく変わろうとしています。自動車に目を向けるとMaaS(Mobility as a Service)の登場により、マイカーを持たなくても気軽に移動できる環境が実現されます。

メーカーは、自動車製造業からモビリティ・カンパニーへの転換が迫られています。この変化は他の産業にも及ぶ可能性があります。未来を見据えた戦略に必要なのは4Pと4Cによる分析です。消費者の欲求を射抜くには、お客様との関係性を重視したアプローチが不可欠です。

参考文献
 

フィリップ・コトラー他『フィリップ・コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)

ヤン・カールソン『真実の瞬間―SASのサービス戦略はなぜ成功したか 』(ダイヤモンド社)

バーント・H・シュミット『経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力』(ダイヤモンド社)

山口周『ビジネスの未来』(プレジデント社)