消費者の欲求射抜く 2つの眼〜4Pと4C〜

お客様に価値を届け収益に繋げる基盤

4Pは収益を生むための出発点

4Pは「お客様に製品やサービスを通じて価値を提供し収益を得るために何をすべきか?」を考える戦略の骨格です。

『4P』とは?
 お客様に製品を売る時に必要な4つの要素。Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(宣伝)

Product製品売る価値
Price価格売る価格
Place流通売る場所
Promotion宣伝売る方法

マーケティングの権威 フィリップ・コトラー(1931-)は、4Pを「市場提供物の戦略を実現するための組み合わせ」と述べています。

企業は人材や資金などの経営資源に限りがあります。これらの資源を最適に配分し、利益を得るために4Pを組み合わせて戦略を考えます。

ただし、4Pには「誰に」というお客様という主語が欠けていることに注意をする必要があります。

4Cでお客様の立場を忘れずに

製品やサービスの価値は、お客様が認めてくれなくては意味がありません。4Cは、お客様という主語が欠けている4Pを、お客様の立場に反転させた考え方です。

『4C』とは?
お客様が製品を買う時に感じる4つの心理的要素Customer Value(価値)・Cost(コスト)・Convenience(利便性)・Communication(対話 )

Customer Value価値お客様にとっての便益
Costコストお客様にとっての時間・労力・心理的負担
Convenience利便性お客様にとっての買いやすさ
Communication対話お客様にとっての情報発信

企業の立場の4Pでは在庫を抑えることが理想です。しかし、お客様の立場の4Cでは欲しい商品が品切れでは失望します。企業は欠品率が1%上昇すれば売上が1%減少します。

そこでセブンイレブンは、天候や過去の売れ行きデータに基づいて仮説検証型の発注を導入し、在庫過剰や欠品による機会損失のリスクを軽減しました。

4Pと4Cは、フィルムのネガとポジのような関係にあります。互いに補完しあうことで、お客様の欲求を満たす魅力的な製品やサービスを届ける基盤が構築されます。

参考文献
 

フィリップ・コトラー他『フィリップ・コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティングマネジメント」(丸善出版部)

ヤン・カールソン『真実の瞬間―SASのサービス戦略はなぜ成功したか 』(ダイヤモンド社)

バーント・H・シュミット『経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力』(ダイヤモンド社)

山口周『ビジネスの未来』(プレジデント社)