判断の あるところに バイアスあり

3分でわかる『バイアス』

縛りからどこまで自由になれるんだ?

人はみな バイアスに 縛られている

私たちの脳は、バイアスという鎖に縛られていると言っても過言ではありません。

『バイアス』とは?
   人の思考と行動に判断エラーを与える思い込みや偏見

人は自分に都合の良い情報ばかりに目が行きがちで、そうでない情報を軽視してしまう傾向があります。

解剖学者の養老孟司(1937-)は大ベストセラー『バカの壁』で、こう説いています。

自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在しています。

この壁(バイアス)が存在するため、すぐに確認できる限られた情報だけを考慮し、それがすべてだと思い込むのです。

自分の見たものがすべて

行動経済学の始祖 エイモス・トヴェルスキー(1936-1996)は、一言で人間の心の本質を突いた指摘をしています。

バイアスを理解して決断の幅を広げる

人の脳には思い込みや偏見つまりバイアスが存在し、バイアスによって陥る罠が無数にあります。

行動経済学の権威 リチャード・カーネマン(1934-)、エイモス・トヴェルスキー(1936-1996)、リチャード・セイラー(1945-)の研究によって解明されたバイアスによって生じる8つの行動現象を挙げます。

バイアスによって生じる8つの行動現象

プライミング効果先行する刺激が後の行動に影響を及ぼす
少数の法則数字だけでその結果が正しいと感じる
アンカリング効果最初に見た印象や数字で意思決定を行う
ハロー効果見た目だけで人物の評価を決め付ける
サンクコスト効果回収不能のコストを取り戻そうとする
保有効果自分が保有する物に高い価値を感じる
確実性効果確実性の高いものに価値を感じる
フレーミング効果選択肢の見せ方次第で意思決定が変わる

これらの8つの行動現象を理解することで、あなたが、どんなバイアスの影響を受けやすいかに気づくことができます。

このことで、思い込みや偏見に囚われず、より広い視野で意思決定を行うことができるでしょう。

参考文献

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』(早川書房)

ダニエル・カーネマン『NOISE』(早川書房)

リチャード・セイラー キャス・サンティーン『実践行動経済学 完全版』(日経BP社)