高くても 買うのは好きな人の店〜好意の法則〜

好意の法則

好意とは利益を生み出す源泉だ!

人の好意は感情から生まれる

人の心を動かす好意。それは時に論理を超えた感情の領域といえます。

アメリカの心理学者ロバート・B・チャルディーニ(1945-)が著書『影響力の武器』で説いた好意の法則は、その核心を突くものです。

人は好意を抱く相手からの影響を強く受けやすい傾向があります。

熱心に推しているタレントが出演するCMの商品につい手が伸びたり、少し値段が高くても、親切な店員がいる馴染みの店を選ぶのは、この法則が働く典型例です。

好意の リピートが生む 利益

お客様の好意は、リピート購入という形で具体的な利益に繋がります。

お客様の心に良好な感情を育むことができれば、長期的な信頼関係へと発展し、安定した収益の基盤となるでしょう。

インターネットのレビューには販売者の接遇や態度に関するコメントが数多く見られます。お客様は商品の機能的な価値だけでなく、感情的な価値も重視していることがわかります。

しかしお客様との関係構築は、難しいもの。O・ヘンリー(1862〜1910)の小説『ミス・マーサのパン屋』は、好意が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないという教訓を含んでいます。

パン屋の女主人マーサは、常連客のブルームバーガー氏に特別な好意からバターをたっぷり塗ったパンをサービスします。ところが彼の仕事は建築家。パンは食べるためではなく、図面を引く時の消しゴム代わりに使っていたため図面を台無しにします。マーサの親切心が、予期せぬ結果を招きます。

この物語から学べることは一方的な好意の押し付けではなく、相手の状況を理解し、そのニーズに合わせた行動を取ることの重要性です。

 

『好意の法則』
好意を感じている人の意見を受け入れやすい心理

参考文献

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)