客離れ 防げば上がる 利益率 

3分でわかる『1対5の法則』『5対25の法則』

既存顧客維持コストは新規顧客獲得コストの1/5で済む!

新規顧客の獲得コストは掛かるもの

新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストの5倍かかるといわれます。

逆に言えば既存顧客維持のコストは新規顧客獲得に比べて1/5で済みます。この法則が1対5の法則です。

『1対5の法則』とは?

新規顧客に商品やサービスを販売するためには、既存顧客に販売する場合にかかるコストの5倍かかるという法則

離反を防げば利益が増える

既存顧客の離反率を5%下げれば25%の収益増大が見込めるといわれます。この法則を『5対25の法則』といいます。

『5対25の法則』とは?
既存顧客の離反率を5%下げれば25%の収益増大が見込めるという法則

5対25の法則は、マーケティング界の最高権威 フィリップ・コトラー(1932-)は、バイブルといわれている『マーケティング・マネジメント』の紹介したことで広く知られる有名な法則です。

しかし、これには諸説あり5%の顧客離れに対して利益改善がどれだけ得られるかはビジネスモデルや業界のコスト構造によって異なるという指摘もあります。

いずれにせよ新規顧客の獲得とともに、既存顧客の維持・育成に力を注ぐことが重要です。

しかし経営者の多くは、新規顧客獲得に執心するあまり既存顧客が生む収益性を見落とす傾向があります。

浮いたコストを、新規顧客獲得、情報発信の強化、商品やサービスの品質改善などのマーケティング活動に再投資すれば新たな収益を生むことが期待できます。

削減したコストを投資に回して収益アップ!

  1. 新規顧客獲得
  2. 商品やサービス向上のための改良
  3. 情報発信の強化

マーケティングの目的の一つは、顧客の離反を最小化し、継続購入を推し進め利益を最大化であることを忘れてはなりません。

コラム  イタチの道の教訓
  馴染みの常連客ぱったり顔を見せなくなることを、イタチの道やイタチの道切りといいます。2度と同じ道を通らないというイタチの習性が由来です。

一度、離反した離反客を取り戻すことは容易ではありません。既存顧客の離反の最小化は大きなテーマです。

参考文献

佐藤尚之『ファンベース』(筑摩書房)

石井淳蔵『ブランド 価値の創造』(岩波書店)

鈴木敏文『鈴木敏文のCX入門』(プレジデント社)

立石泰則『マーケティングのSONY 市場を創り出すDNA』(岩波書店)

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー「マーケティング・マネジメント」(丸善出版部)