モノよりも心に残るコト消費
〜コト消費〜

モノよりも心の豊かさにシフトして収益アップ

体験を重視する消費スタイル

コト消費とは、人が商品やサービスの購入を決める際に、機能よりも商品やサービスから得られる体験価値を重視する消費行動です。

『コト消費』とは?
人が商品やサービスの購入を決める際に、機能よりも商品やサービスから得られる体験価値を重視する消費行動

コト消費は、製品やサービスの単なる購入行動を超え、顧客体験と感動に焦点を当てる新しい消費トレンドです。

このトレンドは、企業の競争優位性を築くカギとなっています。近年、消費者は物質的な所有よりも、感動的な体験を求める傾向が高まっています。旅行、コンサート、スポーツ観戦、趣味の講座を通じて、顧客は感動と幸福感を追求しています。

コト消費は「人生100年時代」において、幸せな生活を追求し、思い出を積み重ねる新しいライフスタイルと結びついています。

中小企業もこのトレンドを取り入れ、顧客に特別な体験を提供することで、競争優位性を構築できる機会を見い出すことが必要です。これには、従来のモノ消費から脱却し、顧客の感情や欲求に訴える新しいアプローチを必要とします。

コト消費から始まる新年

いま新しい年は、コト消費で幕を開けます。伝統的なモノ消費からコト消費への変化は、お正月の恒例である福袋にも影響を与えています。

かつては高級ブランド品が主要なアイテムでしたが、今や特別な体験を提供する「体験型福袋」が注目を浴びています。芸能人とのフライト体験、スポーツ選手との交流、高級ホテルでの宿泊体験などが、顧客の興味を引き寄せています。

各百貨店の体験型福袋の企画発表は、社会的なイベントとなり、人々は単なる物欲だけでなく、自分らしい生活を追求し、家族や友人と楽しむ体験が、幸せの新たな尺度となっていることを示唆しています。

コラム 今日は帝劇、明日は三越

今日は帝劇、明日は三越

日本の広告史に残る1913年に制作された三越のキャッチコピーです。

演劇の鑑賞やデパートを訪れることから得る愉しい体験価値は、当時の富裕層の憧れのライフスタイルでした。

この名コピーを残した当時の三越の宣伝部長 浜田四郎(1873-1952)は、値付けや陳列方法、セールなど百貨店のマーケティング手法の基礎を編み出した人物です。浜田四郎の功績で、買い物の愉しみ方が広がりました。