3分でわかる『コト消費』
「あっ、あの時の体験ってコト消費だったのか?」
体験を愉しむ消費が『コト消費』
コト消費とは、経験や体験を重視する消費行動のことをいいます。
『コト消費』とは?
物を買うことよりも、経験や体験を重視する消費行動
コト消費とは、モノを購入するのではなく、旅行、コンサート、スポーツ観戦、趣味の講座やセミナーなど体験を愉しむことを目的した消費です。
しかし、映画や音楽を通じて得られる感動や喜びを重視してホームシアターシステムを購入するのは、コト消費として捉えることができます。
あなたにも「あっ、これがコト消費なんだ!」と思いあたることがおありでしょう。
人は、自分自身の経験として、その価値を得るため、時間やお金を投資します。このような消費行動が増えている背景には、人の欲求の変化が挙げられます。
- 自己実現の欲求:世の中の成熟に伴い、人は個人の人生を充実させるために、自分自身を成長させることを求めます。
- 社会性の欲求:SNSを介したコミュニケーションが当たり前になった時代、他者との共感や交流を求める傾向があります。
お正月恒例の福袋のトレンドもコトに変化
百貨店の初売りの目玉商品は福袋です。かつて高級ブランド品が詰め込まれた福袋を求め、早朝から行列する光景は、新春の風物詩でした。
現在では、普段なかなかできないコトを満喫できる体験型の福袋が人気です。芸能人と過ごすフライト体験、スポーツ選手との交流、高級ホテル宿泊体験など各店が毎年趣向を凝らしています。

人々の間に、ブランド品を所有するのではなく、体験を通じて生活の質を向上させることを重視する傾向が高まっている証しといえます。
コラム 今日は帝劇、明日は三越
今日は帝劇、明日は三越
日本の広告史に残る1913年に制作された三越のキャッチコピーです。演劇の鑑賞やデパートを訪れることから得る愉しい体験は、当時の富裕層の憧れのライフスタイルでした。
この名コピーを残した当時の三越の宣伝部長 浜田四郎(1873-1952)は、値付けや陳列方法、セールなど百貨店のマーケティング手法の基礎を編み出した人物です。