お客様 心がわかれば 維持できる〜スイッチングコスト〜

怖いのは 競合よりも お客様の心なり!

お客様 何をコストと 感じるか?

スイッチングコストとは、お客様が現在利用している商品やサービスから、別のものに乗り換える時に感じるあらゆる負担のことです。

スイッチングコストは、以下の3つに分けられます。

  • 金銭的コスト:乗り換えの違約金、初期費用、新しい設備投資など
  • 物理的コスト:データの移行、操作方法の学習、住所変更手続きなどの時間と手間
  • 心理的コスト:慣れた環境を変えることへの不安、期待外れだった場合のリスク、人間関係の変化など

このコストが高いほど、お客様は多少の不満があっても慣れたサービスを使い続ける傾向があります。

「諸刃の剣」となる2つの施策

ポイントプログラムやサブスクリプションは、意図的にスイッチングコストを高め、お客様の継続利用を促す仕組みです。

これらの施策は、本質的な価値が伴わなければ無意味であり、「諸刃の剣」となり得ます。

その理由は2つあります。

  1. コストの増大: お客様に還元するポイントは、企業にとってはコストです。売上に見合わなければ、利益を圧迫します。
  2. 本質的な価値の欠如: お客様が本当に求めているのは、サービスがもたらす体験や感動です。

過度に高いスイッチングコストは「縛られている」という不満や不信感を与え、かえって顧客離れを招くリスクがあります。

お客様の心を理解し、その欲求を満たす価値を届け続けることこそが、長期的に利益を築く鍵です。

参考文献

フィリップ・コトラー、ケビン・ケラー『マーケティングマネジメント』(丸善出版部)