なぜ欲しい物を買わずにみんなが買う物を買ってしまうのか?
他人の選択が“正解”に見える理由
「これ、欲しい!」と心から思ったはずなのに、なぜか他人の意見が気になって、購入をためらってしまった。そんな経験、あなたにもありませんか?
他人の意見が正解に見え、無意識のうちに「多数派の選択」に流される心理を社会的証明の原理といいます。
- SNSで「いいね」が多い商品に惹かれる
- 星4.5以上のレビューを見てお店を選ぶ
- 「売上No.1」「◯万人が購入!」が安心
多くの人が選んでいることが、そのまま価値や安心の証拠として機能しているのです。
これは、失敗を避けたいという人間の本能的な欲求に基づいています。

社会的証明を超える価値が利益を生む
「物買ってくる、自分買ってくる。」これは陶芸家 河井寛次郎(1890–1966)の言葉です。
物を選び、買うことは、自分の感性や価値観そのものを表現しているという意味です。
さて、マーケティングの理想とは、たった一人のお客様が「これが私の価値だ」と共感し、自らの意思で選んでくださること。
最初の一人のお客様の心に響いた商品は、共感の連鎖によって多数派に支持される存在へと成長していきます。
しかし、この順番を間違えてはいけません。多数が選んでいるから価値があるのではなく、価値があるからこそ、結果的に多数に選ばれるのです。
マーケティングの本質は「売ること」ではなく、「価値をつくること」。そして、「価値あるものを、自らの意思で選んでもらうこと」です。これが長期的な利益に繋がります。
参考文献
ロバート・チャルディーニ『影響力の武器』(誠信書房)