薬屋のひとり勝ち 龍角散の競わない戦略
業界の利益を奪う5つの力
「業界の利益率が低いし、競争も激しすぎて八方塞がり」
そんな悩みを抱えているなら、龍角散の戦略がヒントになるかもしれません。
龍角散は、なぜ厳しい医薬品業界で高い利益を上げ続けているのでしょう?
答えは、経営学者 マイケル・ポーター(1946-)が生んだファイブフォース分析に隠されています。
ファイブフォース分析は、業界の利益を奪う5つの脅威を明らかにします。
- 競合 「ああ、あの会社さえいなければ」
- 買い手 「社長、安くしてぇ」
- 供給者 「社長、ウチも厳しいんですよ」
- 新規参入者 「新たな敵が!」
- 代替品 「油断していたら、いつのまに」

5つの脅威の圧力が強いほど、業界全体の利益が低くなります。
業界というリングで生き残るには、どう戦うかが重要!
人気レスラー ウナギ・サヤカ(1986-)の決め台詞「査定してやるよ!」に倣い、5つの脅威を乗り越えた龍角散を査定します。


龍角散を査定してやるよ!
医薬品業界は、国が薬の値段を下げたり、後発医薬品との競争など厳しい脅威にさらされています。
そんな中、龍角散は、のどケアへ経営資源を集中。のど飴では25%の高いシェアを誇ります。
- ニッチに特化: 主力品はドラッグストアで手軽に買える第三類医薬品
- 強固なブランド力: 新規参入や価格競争から守る
- 供給者との友好関係: 秋田県と協力し生薬・ハーブの栽培に取り組む。
- お客様の指名買い:リピート購入
さらに毒掃丸の山崎帝国堂と提携し、セルフメディケーションの普及を促進。医療費抑制という社会課題の解決に一役買っています。
龍角散は、他社と正面から戦わず、独自の強みで違いを作る戦略で長期利益を生み出せることを証明しています。





参考文献
マイケル・ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社)