その道の プロのことばの持つ威力〜権威性の法則〜

投資家が迷わずバフェット銘柄を買う理由

結局は 誰が言ったかが ものをいう

世の中では、発言そのものの本質よりも「誰が言ったか」という情報が、人の判断に大きな影響を与える場面が少なくありません。

アメリカの心理学者ロバート・B・チャルディーニ(1945年~)が著書『影響力の武器』で説いた権威性の法則は、この現象を鋭く捉えています。

人には、肩書や実績を持つ権威者の意見に、無意識のうちに信頼を寄せ、深く吟味することなく受け入れてしまう傾向があるのです。

人はみな 誰が言ったか? で態度が変わる

投資の世界のウォーレン・バフェット(1930-)の存在は、権威性の法則を象徴する好例です。

「絶対に損をしないこと、よい株を安く買うこと」 ごく当たり前の投資心得にバフェットの名前が付くだけで、言葉の重みは、まったく異なるものへと変貌します。

多くの投資家がバフェット銘柄に群がる背景には、「バフェットが選んだ銘柄なら間違いない」という権威への絶大な信頼感があります。

事実、バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイの投資動向は、株価を瞬時に押し上げることも珍しくありません。

「誰が言ったか」という情報に惑わされることなく、「何を言ったか」という内容を深く理解し、自身の頭で判断することが不可欠です。

バフェットは2025年末に引退を表明しています。この事実は、権威への盲従を再考する機会となるでしょう。

『権威性の法則』

権威のある人物の意見に影響を受けやすい人間心理

参考文献

ロバート・B・チャルディー二『影響力の武器』(誠信書房)